ズボン秘話
1月23日(金)~24日(土)
今回の旅(22日~24日)では、多くの人に会った。
とくに2日目以降は、多くの人と再会した。
あたたかく迎えていただき、「また来てください」と言われた。
帰りの新幹線では、この旅で再会したさまざまな人たちのことを思い返し、ありがたくって涙が出た。
…しかし、である。そんな感動の旅の裏に、こんな事実が!
旅の2日目、つまり23日(金)の朝のこと。
朝起きて、ズボンを履こうと思って驚いた。
ズボンが破れている!
しかも、股の部分が、ザックリ破れているではないか!
かなりはき古していたこともあり、ズボンがくたびれていたことはうすうすわかっていたが、いつの間にか、股の部分が破れていたのである。
明らかにこれは、私の太り過ぎによる亀裂である!
太りすぎが原因でズボンが破れるなんて、ポンコツ人間もいいところだな。
それにしても、いつから破れていたのだろう?
旅が始まった昨日の時点で、すでに破れていたのだろうか?
もしそうだとすれば、私はズボンの股の部分が破れたまま、満座の席でエラそうに講演をしていたことになる。恥ずかしいことこの上ない。
…まあ、過ぎてしまったことを嘆いても仕方がない。
問題はこのあとである。
今日(23日)と翌日には、仕事も含めて多くの人たちと再会する。大事な人たちと会うのにもかかわらず、まる2日間、股の破れたズボンをはいたまま過ごす、というのは、これから会う人たちに対しても失礼だし、人として最低である。
さらにこの2日で、股の亀裂がさらに拡大するおそれがある。もし食事の席で、畳の上であぐらをかこうものなら、最悪の事態を招くだろう。
その場合、ズボンの右足の部分と左足の部分が、真っ二つに裂けてしまうこともありうる。
替えのズボンも持ってきていない。さあ困った。
不幸中の幸いで、仕事先の集合時間までは、まだ少し時間がある。
駅前にある老舗のデパートに、開店と同時に入り、探してみたが、上品でスマートな人のためのズボンしか置いてなく、私のサイズにあるズボンなど、あるはずもない。
ハタと思いつき、少し離れた場所にある紳士服の量販店に行くことにした。ここは以前住んでいた町なので、紳士服の量販店がどこにあるかなどは、頭の中に入っていた。
店に入るなり、店員さんに聞いた。
「私のサイズに合うズボンをください!」
店員さんに勧められるがままにズボンを試着し、それに決めた。
「裾直しに、どれくらいかかりますか?」私は聞いた。
「お急ぎですか?」
「ええ、とても急いでいます」
「15分でできると思います」
「わかりました」
15分後、裾直しが終わった。
店員さんは、何かを察したようで、
「履いていかれますか?」
と言ってくれたので、
「はい、履いていきます!」
と答え、その場で股の破れたズボンを捨て、新しいズボンに履き替えて、店を出た。
昨日までのヨレヨレのズボンにくらべれば、はるかに履き心地がいいし、しっくりくる。さすがに高いだけある。
何より、股が破れていることを気にする必要がなくなったことが嬉しい。
かくして、何事もなかったかのように2日目の仕事場に到着し、その後の予定は、すべて順調に進んだ。
股が破れていることを気にする必要がなくなったおかげで、心おきなく、再会した人たちとお話しすることができた。
幸い、履いていたズボンの股が破れたために新しいズボンを買って履き替えたことに気づいた人は、誰もいなかった。よかったよかった。
これからは、替えのズボンを常に持ち歩くか、痩せるかの、どちらかを心がけなければならない。
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コメント
お疲れ様でした。久し振りにお会いできてよかったです。でもズボンの件、全く気付きませんでした(笑)。あの辞書を使った難解な作業の裏でそんな闇を抱えていたとは・・・。言ってくれればとりあえず職場においてるジャージ貸したのに(ジャージで作業、新たな鬼瓦さん伝説)。あと懇親会で披露すれば、絶対すべらない話しだったのに。もったいない。あ、俺達芸人じゃなかったね。3月また!世の中いろいろあるね。
投稿: A・U | 2015年1月25日 (日) 18時31分
ズボンの件は、すべてが終わり、旅から帰ってから明るみに出そうと思っていたのでした(笑)。帰りの新幹線の中で読もうと文庫本を持ってきた矢先に、「そして誰もいなくなった」の結末をネタバレされた事件(笑)など、思い出に残る懇親会でした。
投稿: onigawaragonzou | 2015年1月25日 (日) 21時27分
いよっ、ご同輩。
私めも、半ズボンの前を安全ピン3つで止めてねぶたを見に行こうとしたり、職場のOAイスの座板をお尻で2つにカチ割る、といった事件は枚挙にいとまありませんが、この「ズボンが2つに裂けちゃう問題」にも、何度となく直面しております。
http://yossy-m.cocolog-nifty.com/blog/2011/08/post-adc0.html
しかし、心配はいらない。
裂ける時は、ビリッと音を立てて一気に破断しますから、必ず自覚症状があります(経験談)。知らずに講演していた、なんてことはありません。
それに、スキーが自転車並にカロリーを消費することを実感しまして、昨日も本格的なスキー場に行った折りに、樹氷が居並ぶ山頂まで行って、首まで雪に埋まったお地蔵さんに「鬼瓦さんのズボンが裂けませんよう」に、とお祈りしてきましたから、もう大丈夫。
でも私がお祈りすることは、決まって逆になるからなあ。
今日の私のように、疲労困憊して伏せってしまうようなことがなければいいのですが。
投稿: 裂けるこぶぎ | 2015年1月26日 (月) 13時07分