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おとなの週末

3月22日(日)

久しぶりに、何の予定もない日。

しかも今日は、妻が所用で実家に戻っている。

髪が伸びてきたので、散髪屋に行くことにした。

白髪染めのクリームみたいなヤツを髪に塗ってもらっている間の15分間、何もすることがないので、店員さんは、雑誌を持ってきてくれる。

いつも持ってくるのは、「Number」と「おとなの週末」の2冊である。

同年代の男性諸氏なら、どちらを選びますか?

私はスポーツにまったく関心がないので、「Number」は読まない。

必然的に、「おとなの週末」を読むことになる。

この雑誌は、都内のグルメな店を紹介する雑誌で、表紙はいつも、美味しそうな料理のドアップの写真である。

これが実に恥ずかしい。

これを私が読んでいると、

(お前、どんだけ食いしん坊なんだ!)

と、絶対まわりが思っているよなあと、軽く死にたくなる。

これを食欲ではなく性欲でいえば、女性の裸がドアップで写っているようなものである。

だが、ほかに読むものがないのだから仕方がない。

2か月ほど前から、ある女優さんがその雑誌に、見開き2ページのエッセイを連載しはじめた。

聞き慣れない名前の女優さんだったが、あとでテレビを見ていると、いまやドラマやCMに今や引っ張りだこの、私と同年代くらいの綺麗な女優さんだった。

連載第1回の文章によれば、その女優さんはブログをやっていて、そのブログの文章がなかなか面白いということで編集者の目にとまり、めでたく連載が始まったらしい。

今や引っ張りだこの綺麗な女優さんだし、文才もあるとなれば、ほうっておくわけにはいかないだろう。

だがエッセイを読んでみたら、実に何というか、ふつうの文章である。

さてその連載第1回の冒頭で、正確な記述は忘れてしまったが、次のようなことが書いてあった。

「女優というと、食生活もさぞ華やかなイメージでしょうけれど、実際は、スーパーに行って、半額の値札がついたお総菜を探して、1円でも安いものを買うという、とても地味な食生活なんです。そんなワタシが食べものについての連載を始めるなんて…」

たしかに、綺麗な女優さんでも、地味な食生活なのかも知れないな、と思いながら、その部分を読んだ。

私はその次の月もまた、「白髪染め待ち」の時間になると「Number」と「おとなの週末」が渡され、やはり「おとなの週末」のほうを読むことにした。

その女優さんのエッセイを楽しみにするようになった。この雑誌にはほかに、エッセイらしいエッセイがないからである。

毎回、あるひとつの料理を取りあげて、その料理に関する美味しい店を紹介するという趣向らしいのだが、読んでみて気がついたのは、紹介しているお店が、どれもこれもオシャレなお店ばかりなのである!

(おかしいなあ、連載第1回のときは、女優の食生活は地味なものですと書いていたのに…)

いったいどうなってんだ?

私は、

「私のお薦めは、新橋にある居酒屋『大統領』です!」

とか、

「やっぱり、ペヤングソース焼きそばと卵かけご飯の組み合わせは最強ですね」

とか、そういう文章を期待していたのだ!

今回は、「ミートソース」を取りあげていた。

毎回、3種のお店を紹介しているようなのだが、今回は、1つめが「母が作った心のこもったミートソース」、あとの二つは、オシャレなお店のミートソースだった。

(やはり今回も、オシャレだったか…)

毎回、いつも期待を裏切られるなあと思いながら、ついその「ふつうのエッセイ」を読んでしまうのだ。

読んでいたらミートソースが食べたくなったじゃねえか!

ということで今夜はミートソースを作ることにした。

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コメント

久しぶりに、風邪を引いた。「おとなの週末」らしく、土日をずっと寝ていても直らない。

しかも、今日は熱もある。

医者に行って抗生物質をもらうことにした。

予約なしの飛び込みだ。案の定、朝8時に順番を取りにいって、診察は10時半になると言われる。

待つのもしんどいので、家に戻って出直す。

時間になって再び訪れると、言わんこっちゃない、すぐに診てくれないから症状が悪化している。

受付で声がしゃがれて出ないし、熱だって朝より6分(ろくぶ)も上がっている。

マスクを渡されて、待合室ではなく、廊下の奥の「熱のある患者さま専用待合」みたいな張り紙がされた衝立の向こうにある、ベンチに連れて行かれる。

「VIP待遇」にもほどがある。

座っていても何もすることがないので雑誌を読みたいところだが、「専用待合」なので雑誌すらない。

確か、中待合(なかまちあい)のベンチの脇には「オレンジページ」が置いてあったと思うが、病気で食欲もない患者ばかりだろうに、なぜ献立雑誌が完備されているか分からない。

しかし、こんな時こそ「お薬手帳」の出番である。誰かと違って、毎回持ち歩いていてよかった。

ポケットから「お薬手帳」を出すと、隅から隅まで読み回す。

ほお、「食前」と「食直前」って飲む時間が違うのね。それに「とんぷく」って「症状が現れた時に飲む」という意味なのか。

すぐに読み終わってしまった。

再び、永遠の待ち時間が訪れる。

右の窓の向こうは名残雪。

左には、マスクで咳き込むおじさん。

結局、1時間半近く待ってやっと診察してもらい、念願の抗生物質をもらって帰宅した。

薬を広げてみると、さっそく「とんぷく薬」の袋も入っている。

解熱剤のようだ。

なるほど「38.5度以上になったら飲んでください」と、飲むべき症状が注意書きにちゃんと書いてある。

これが「とんぷく」ということか。

用法通りに、それ以外の薬を飲んで寝るが、頼りの抗生物質が一向に効いた気がしない。それどころか、さらに熱は上がり続ける。

寝苦しくて夜中に体温計を測ると、とうとう38.4度まで上がっていた。

頭がぼおーっとして、そのうえバナナとゼリーとりんごジュースぐらいしか食べていないので、力も入らない。

普段なら、何も考えずにさっさと解熱剤を飲んでいるところだが、あながち「お薬手帳」を熟読してしまった手前、飲むべき症状まであと0.1度足りない以上、飲むわけにはいかない。

MajiでTonpukuする1分(いちぶ)前。

読んでいたら薬が飲めなくなったじゃねえか!

投稿: とんぷくこぶぎ | 2015年3月29日 (日) 16時19分

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