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真夜中のメール

3月13日(金)

深夜0時半。

寝入りばな、ウトウトしていたところへ、携帯メールの着信音が鳴った。

誰だろう?と思って携帯電話を開いてみると、高校時代の友人、福岡のコバヤシからだった。

「コバヤシです。夜分失礼します。

ジローのバンドがまた福岡に来たので、こちらの友達と聴きにいってきました」

ジローというのは、高校時代の部活の2年後輩で、いまはジャズミュージシャンとしてビッグバンドでサックスを吹いている。決して安定した仕事ではないミュージシャンの道にジローを進ませたのは、大学時代にコバヤシがジローにそうアドバイスしたからだと、コバヤシは今でも思っていて、そのことがずっと心に引っかかっていたと、いつもコバヤシは言っていた。そのあたりのいきさつについては、以前に書いたことがある

「はるばる東京から和歌山、神戸、山口ときて、福岡まで1000㎞の道のりを車で来たそうです」

ジローもまた、私と同じで旅暮らしなんだな。

「非常に楽しいバンドで、あっという間の楽しいひとときでした。

ジローも紆余曲折があったのでしょうが、今ではよい仲間に恵まれて楽しそうに演奏しており何よりです」

コバヤシも、ジローの演奏を心から楽しんだらしい。メールはさらに続く。

「貴殿もあまりマイナス思考に陥らないように、といっても無理なのかも知れませんが、多少は前向きに頑張れるとよいですね」

私はハッとした。コバヤシは、私のブログを読んで、私が最近マイナス思考に陥っていることを感じ取ったらしい。

それで心配してメールをくれたのか。

「しかし、酔っ払ってこんなしょうもないメールを打つようになるとは、私も歳をとったものです。

ではまたそのうち」

たしかに、ふだん私に悪態ばかりついているコバヤシが、めずらしく感傷的になり、これほど私を気遣うメールをくれたというのは、初めてなんじゃないだろうか?

よっぽど今晩は、気分がよかったのだろう。

私も歳をとったせいか、最近はふだんめったに会えない人とひさしぶりに会ったりすると、「これで最後かも知れない」というつもりで会うことにしている。そう思うと、その時間がとても貴重に思えてくるのである。

コバヤシが、いままでそんなことはなかったのに、私をいたわるようなメールをよこしたというのも、あるいは彼自身も、そんな境地に達しているからではないか、と想像した。

何より、後輩のジローが福岡に来るたびに、律儀に彼のライブを聴きに行っていることがそのことを示している。

眠かったが、短い返事を書いた。

「コバヤシ殿

メールありがとうございます。こちらは相変わらず旅続きです。

ジローも旅を続けてきたんですね。それにしても貴殿は律儀です。

マイナス思考からようやく脱出できました。しばらくは大丈夫だと思います。

またそのうち」

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