和泉聖治最強説
4月21日(火)
朝10時から夕方6時半まで、ずっと会議つづきだったが、今の職場では、さほど驚くべきことではなくなった。
こういう日は、精も根も尽きて家に帰っても何も考えられなくなる。
ということで昨日に引き続き、録画していた映画「相棒 X DAY」を見た。いわゆる「相棒」のスピンオフ映画らしい。
昨日見た和泉聖治監督の「相棒 劇場版Ⅲ」とは、演出面で歴然とした差があるといわざるを得ない。意味不明の演出がいくつかみられるのである。
そう考えるとやはり、「相棒 劇場版Ⅲ」を監督した和泉聖治は最強である。
私は和泉聖治監督の映画をほとんど見たことがない。唯一、大学生の頃に映画「沙耶のいる透視図」を見て、衝撃を受けた。こんな後味の悪い映画があるのか、と驚いたのである。それほどインパクトのある映画だった。
だから和泉聖治に関してまったく知識がないのだが、フィルモグラフィーを見ると、彼がまぎれもない職業的映画監督であることがわかる。
巨匠、というわけでもなく、名作を撮った監督というわけではないのだが、職業として映画監督を長く続け、職人のように映画を作りつづけたのである。
それは、活躍の舞台を映画からテレビに移っても同じだったのだろう。そのことをよく示すのが「相棒」なのである。
ちなみに「相棒 劇場版Ⅲ」が公開されたのは昨年で、そのときの監督の年齢は60代後半である。おそらく和泉聖治の演出は、60代後半になっても衰えることを知らないのだ。
だいたい映画監督は、60代後半や70代になっても衰えることを知らないものだが、芸術家肌の映画監督の中には、ともすれば作風が変わったり、枯れていったりしていくこともある。妙に情緒的になったり。だが和泉聖治は、おそらく演出のスタンスを変えることなく映画を撮り続けている。
若い頃から職業的映画監督として貪欲に映画を作りつづけた和泉聖治が、仕事の場をテレビの世界に移してもその演出のスタンスを変えることなく、60代後半になってふたたび、人々の注目を集める映画を監督し、ヒットする。
やっぱり職業的映画監督はすごいのだ。地味かも知れないが、ぽっと出の映画監督が太刀打ちできないような足腰の強さや安心感がある。
そんなふうに仕事が続けるのが、私の理想でもある。
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