自転車と宝塚
先日、職場の送別会があったおりに、「いま、どんなことに興味があるか」という話題になった。
「自転車と宝塚ですね」と私は答えた。
「自転車を趣味にしている人って、自転車がいかに楽しいかをものすごく語りたがる傾向にあるんですよ。もうひとつ、宝塚もそうです。宝塚の舞台をいちど見た人は、たちまち宝塚の虜になってしまうといいます。それほとまでに人間を虜にしてしまう自転車とか宝塚を、今年こそは経験してみたいんです」
すると、いつも頓珍漢なことばかり言う人が言った。
「宝塚でも、すべてがいいってわけじゃありませんよ。見なきゃよかったって思うくらい残念な舞台もあります」
どうしてこの人は、いつも人の話の腰を折るのだろう。
「じゃああなたは、どういうことに興味があるんです?」私は反問した。
「納豆ですね」
「納豆?」
「私、納豆が嫌いなんですよ。そのことを友達に言うと、『お前は人生の楽しみの半分を知らない』と言われるんです。それが悔しいんで、納豆を食べられるようになりたいんです」
はぁ?
「それ、ちょっと意味が違いますよ」私は言った。
「どういうことです?」
「私が言いたいのは、自転車とか宝塚とか、熱く語りたくなるほど虜になるような趣味を経験したいと言ってるんです。納豆を食べることは、熱く語りたくなるほど虜になるような趣味と言えますか?」
「納豆を食べることが、自転車や宝塚と、どう違うんです?」
もうこれ以上話すのは無駄である。
…こういう会話は、とても疲れる。
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コメント
魯山人納豆鉢
https://youtu.be/1VuFZ16Xg1Q
でもね、ハンドルを回すよりもペダルを回した方が、424倍楽しいんだな、これが。
投稿: 納豆趣味こぶぎ | 2015年4月 8日 (水) 02時24分