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さようなら、公爵夫人

書くネタがまったく思い浮かばないので、たいへん有名なフランス小話を一つ。

公爵夫人のことを「ブタ」と呼んで訴えられた男がいた。

判決は、「今後は公爵夫人を『ブタ』と呼んではならぬ」というものだった。

男:公爵夫人を「ブタ」と呼んではいけないってことですね。

裁判長:そうだ。

男:では、ブタに向かって「公爵夫人」と呼ぶのはどうです?

裁判長:それはお前の勝手だ。

男:わかりました。(公爵夫人に向かって)「さようなら、公爵夫人」

立川談志が、よく落語のマクラでこのフランス小話を紹介していた。

しかし客席は笑わないことが多かった。

落胆した談志は、

「この小話の意味がわかんなきゃ、あとは

『隣の家に囲いができたね』

『へえ~』

しかないね」

とよくぼやいていた。

私も一つ、小話を考えた。

ある漫才師が、総理大臣のことをバカと言った。

たちまち裁判にかけられ、「これから総理大臣のことをバカと言ってはいけない」という判決が下された。

漫才師:するってえと、総理大臣のことを「バカ」と言ってはいけないってことですね。

裁判長:そうだ。

漫才師:じゃあ、バカに向かって「総理大臣」と言うのはどうです?

裁判長;それはお前の勝手だ。

漫才師:わかりました。「さようなら、総理大臣」

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