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福岡自滅出張

5月27日(水)

午前の職場の会議が終わったあと、羽田空港から飛行機に乗って福岡に向かう。

夕方、福岡空港に到着し、そのまま博多駅に向かう。

すでに同僚の2人が、明日の仕事でお世話になる方と、博多駅ナカの「立ち飲み屋」で飲んでいた。

その方とはふだんまったく接点がないのだが、15年ぶりくらい前、やはり福岡に出張したときに、一緒にお酒を飲んだことがあった。

それくらいのおつきあいしかなかったのだが、私のことをよく覚えていただいていた。

この方のすごいところは、誰に対してもわけへだてなく、公平に接することである。初めて会った人に対しても、昔からよく知る人に対しても、同じように接してくれるのである。

こういうのを、人間力というのかも知れない。

「何を飲んでるんです?」

「地酒の飲み比べセットです」

見ると、4つのお猪口が一つの四角い枡の中に並んでいる。つまりは、4種類のお酒を飲み比べるというセットらしい。

「じゃあ私もそれにします」

これがいけなかった。

今日のメンバーは「本当の酒飲み」たちなのである。「つまみ」なしで、地酒だけを飲んでいる。

私もそれに合わせて飲んでいると、たちまち酔いが回ってしまった。

「まだゼロ次会ですよ」

「ゼロ次会?」私は驚いた。

「これから、あと3人ほど合流しますので、場所を変えましょう」

「地酒の飲み比べセット」を飲み終え、今度は居酒屋へ向かうと、すでに3人の方が来ていた。

九州といえば焼酎というイメージが強いが、福岡は日本酒の文化圏である。

1次会のあと、次は2次会である。「やきとり屋に行きましょう」

延々と日本酒を飲んだが、最後のほうは何を話したのか覚えていない。

気がつくと深夜0時をまわっていた。

6時間半も飲み続けていたことになる。

5月28日(木)

朝起きると、頭が痛い。

二日酔いである。

駅からバスに乗って、出張先の現場に着いたのが午前9時。

仕事は順調に進み、午前中でメドがついた。

仕事を終え、現場を出たあと、同僚が言った。

「今日は、ずいぶん反応が鈍いね」

「わかりますか」

「いつもの鬼瓦さんらしくないなあ」

「やっぱり空きっ腹で日本酒を飲んだのがいけなかったようです」

仕事じたいに支障はなかったのだが、仕事のテンションはいつもよりもかなり低かったのは明らかである。

こういう日は、決まって自己嫌悪になる。

「勧められるがままにお酒を飲む」なんてやめればよいのだが、これも仕事だと思って、ついまわりの酒飲みの人たちと同じペースで飲んでしまう。

そしてあとで決まって後悔するのだ。

そういえば父も、仕事をしていた頃はそうやって飲み会で自滅して帰宅することがけっこうあった。そのたびに、「ああ、たいして酒が強いわけでもないのに、勧められるがままに飲んじゃったんだろうな」と思って見ていた。

つまりこれは、父親譲りである。

午後になってもテンションが上がらないまま、福岡をあとにした。

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