創作落語・ディスプレイ長屋(試作)
えらいこっちゃ。
どうした、熊さん。
さっき大家さんと会ったらよぅ、「うちにあるディスプレイ型のパソコン17台を、長屋の連中に売ってやる」と、こういうんだ。
17台!!!??この小さい長屋に17台は多すぎるだろ!しかも、くれるんじゃなくて売るってか?迷惑な話だねえ。で、いくらで売るって?
3貫600文。
3貫600文!!!???…てことはおめえ、寛永通宝3600枚ってことかい?
そうなるなあ。
いくらなんでも高すぎるぜ。
しかしなあ八っつぁん。この前、大家さんと長屋の連中とで、寄り合いがあったろう?
あったな。
そのとき、あっしがつい、「いまのあっしらがいるのも大家さんのおかげです。あっしら、大家さんのためならなんでも引き受けます」と、こう言ってしまったんだ。
そういえば、みんなの前でそう言ってたなぁ。バカだねえ。…しかし、大家といえば親も同然、店子(たなこ)といえば子も同然というからなあ。長屋のみんなから集めた積立金から、3貫600文を出すよりほかはあるめえ。
しかしそうなると、うちの雨漏りの修理代は…?
我慢するより仕方あるめえ。
…ということで長屋のみんなは、積立金から費用を捻出して大家さんから17台のディスプレイ型パソコンを買い取った。
数日後。
おい、てーへんだてーんだ!
どうした、熊さん。
さっき秋葉原に行ったらよぅ、大家から買ったディスプレイ型パソコンに、114文の値札がついていたぜ。
1台114文か…。ということは、17台で1938文、つまり1貫938文か!
大家にずいぶんぼったくられちまったな…。
おい、てーへんだてーへんだ!
今度はどうした?
あのディスプレイ型パソコン、なんでも欠陥商品で、ディスプレイから火を噴くらしいぞ。
おいおい、イヤなモノつかまされちまったねえ。
そうこうしているうちに、ディスプレイから本当に火が噴いて、長屋が全焼してしまった。
あ~あ、とうとう全焼しちまったよ。大家さんに相談に行こう。…大家さん!大家さん!
おお、熊さんに八っつぁんかい。このたびは大変だったね。
ええ、エライ目にあいましたよ。どうしてくれるんです。
もちろん長屋を建て直そう。いい大工をこちらで用意しておいてあげたから。…金5両にまけといてやるよ。
(小声で)なんだい、カネはこっちで出せってか…。
なんか言ったかい?
い、いえ…。なんでもねえです。…ありがたいことです。あっしらが無事でいるのも、大家さんのおかげです。
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コメント
またですよ、スクリプト・ドクター。
まったくだよ。あんなに細かく添削してあげたのに、今回も物語の構成が全くなっていない。大体、「落語」なのに最後まで読んでもオチがないなんて、どういうことだ。
先生、それはいいんです。
なぜだ?
なにしろ「ディスプレイ」の話ですから、落ちては困ります。
投稿: スクリプトこぶぎ | 2015年5月11日 (月) 23時43分
まいったねえどうも。落としちゃいけないとあれほど言っておいたのに、こぶぎさんがうまく落としちまったよ。
投稿: onigawaragonzou | 2015年5月12日 (火) 01時21分