腰痛原稿
5月21日(木)
昨日から腰がものすごく痛い。
地面に落ちたものをかがんで取ることができない。
原因は明らかである。
先日の無茶なサイクリングが原因である。
ロードバイクに乗り慣れていないにもかかわらず、いきなり50㎞も走ったのがいけなかった。
昨日の午前中、前の勤務地にいた頃、お世話になっていた方からメールが来た。
私の父よりも年上のその方は、会社を退職されたあと自身の好きな研究を始めて、同好の人たちと一緒に雑誌を作ったりしていた。私も現地調査をご一緒することが多く、その方から多くのことを学んだのである。
「今度発行する会誌に原稿を書いてくれませんか。今月末まで間に合うようでしたら、お願いします。ご繁多でしょうし無理強いではありません。時間が割けそうでしたらで結構です 」というものだった。年に1度発行している会誌への、原稿依頼である。
前の勤務地を離れた今でも、気にかけていただいているのは本当にありがたかった。もちろんこの依頼には応えなくてはならない。しかも研究会誌なので、随想めいたものではなく、論文のようなきっちりした原稿を書かなくてはならない。
面白いもので、およそすべての原稿は二つに分けられる。「気乗りする原稿」と、「気乗りしない原稿」である。
これは、映画「スウィングガールズ」に出てくる名台詞、
「すべての人間は二つに分けられる。『スイングする人』と『スイングしない人』に!」
とも通じるものである。
「気乗りしない原稿」は、いつまでたっても終わらないが、「気乗りする原稿」は、びっくりするくらいの速さで書き終わるのだ。
これは、「原稿料が高いか安いか」とか、「その原稿が日の目を見るか否か」といった基準ではない。おもには、「依頼してきた方に誠実に応えたいと思うか否か」が基準である。
私は「筆が速い」と言われたりすることがあるが、すべてにわたって速いわけではない。「この人のために書かなくては!」と思ったときは速いが、そうでない場合は、平気で遅れたりする。
昨日、仕事の合間を見はからって、原稿を書き始めた。
不思議なもので、「この人のために書こう!」と思った原稿は、どんどんはかどる。
深夜2時過ぎにほとんど書き終わった。400字詰め原稿用紙にして20枚程度、およそ8000字程度である。
今日、また仕事の合間を見はからって、細かい部分を手直ししたり、書式を整えたりして、午後に原稿を送信した。
「すごく早いできあがりでオドロキの一言です。さすがです」
と返信をいただいた。自慢ではないが、こういうときの私の筆の速さは、他の追随を許さないのだ。
どんな原稿も、これくらい早く筆が進めばなあと思うのだが、なかなかそううまくはいかない。
つまり原稿とは、きわめてメンタルな存在なのである。
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コメント
賢明なる吹きだまり読者のみなさんは、既にお分かりだったろう。
ロードバイク一日目で、犯人の嫁はその日のうちに疲れているのに、犯人は翌日も乗り続けるほど元気だった、その理由についてだ。
犯人の方が体力があったからか。それは違う。
人間は年を取ると、疲れが遅れて出てくるからである。疲れが来ないうちに「俺はまだまだ若い」とさらに自転車に乗って、疲労をため込んだ挙句、それが一度に押し寄せてくる。
ブログにはおくびも出ていないが、絶対に犯人は全身疲労でへばっている。一方、犯人の妻は翌日には体力が回復して涼しい顔であろう。
最初の記事の一文を読んでからずっとそう思っていたが、どうやら俺の推理は当たっていたようだ。
それにしても2週間遅れの疲れとは、遅れて来るにもほどがある。原稿をため込むのはともかく、疲労までため込み党では、かえって体によくない。
50キロの距離といえば、Y市から自転車道経由でT町の三重の塔までの往復にあたるだろうか。俺が最初にママチャリで走破して、その疲労で3日間寝込んだ距離だ。
ロードバイクの性能なら初心者でも走破できると思うが、はやり無理はよくない。
スポーツ自転車は前傾姿勢で乗るので、上体は腹筋や背筋で支えるとよいらしい(腕にも力が入るが、本当は楽に支えるくらいがいいらしい)。腰が痛いということは、これらの筋力が足りないかもしれない。
あるいは、サドルの位置があっていないかもしれない。サドルを前後や上下に動かして、より乗りやすいポジションに調整するといいかもしれない。
筋力がついたり、おなかの脂肪が減って邪魔にならなくなると、漕ぎやすいサドルの位置も微妙に変わってくるだろう。
さて、この週末はどこへ乗りに行こうか。
投稿: 明智こぶ郎 | 2015年5月22日 (金) 07時24分