サラダ記念日
「この味がいいねと君が言ったから七月六日はサラダ記念日」
有名な俵万智の歌集「サラダ記念日」。
この歌がなぜ好きなのかというと、
「記念日なんて、そのていどのものだぜ」
と思わせてくれるからである。
記念日が、あまり好きではない。
というか、記念日にこだわる人が、あまり好きではない。
それは結婚記念日とか妻の誕生日とかを、うっかりと忘れてしまうことを正当化しているに過ぎないのではないか、という批判があるかも知れない。
その批判は当たっているが、それがすべてではない。
妻も、少なくとも表面上は記念日をあまり気にしない人なので、こちらとしてもとてもリラックスできるのだ。
別に記念日でなくとも、美味しいものを食べに行きたければ、食べに行けばよい。
別に記念日でなくとも、感謝したい時に感謝すればよい。
冒頭のサラダ記念日の歌は、
「今日たまたまサラダを作ったら、『君』が美味しいと言ってくれて嬉しかった」
といっているに過ぎない。
まさかこの人はその後、毎年7月6日にサラダを作って「君」に食べさせるのだろうか。
「どうして今日サラダなの?」
「だって、サラダ記念日だから」
もし私が「君」の立場だったら、「サラダを美味しいと思う自由」が奪われたような気がして、ちょっとゾっとする。
考えすぎか?
ただ、誕生日プレゼントは素直に嬉しい。
なんでもない時にもらうプレゼントも嬉しい。
というか、プレゼントは何でもうれしい。
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