10人の法則
7月5日(日)
明日、職場で大きなイベントがある。
先々月の大きな会議で、このイベントのことが議題に上がった。
どうもうちの職場の特徴のようなのだが、職場で行われるイベントは、そのイベントにかかわるプロジェクトのメンバー以外は、まったくといっていいほどかかわる機会がない。
それ以外のメンバーは、そのイベントにまったくタッチしないというのが不文律なのである。
…あ、この点は前の職場でも同じだったか。
ところが、今度のイベントというのが、たいそう大がかりなもので、とてもそのイベントのプロジェクトメンバーだけで対応できるものではなさそうである。
そのことが、先々月の大きな会議で明るみに出たのである。
「困りました…」とイベント担当の同僚が言う。
そこで私は発言した。
「こうなった以上は、職場全体で対応していくしかないんじゃないですか?たとえば私は、このイベントの日は体が空いてますから、人手が足りなかったら、道案内でも駐車場整理でも、何でもやりますよ。ですから、プロジェクトのメンバーだけで抱え込まないで、職場をあげて支えていかないと、国際問題になりますよ」
発言したあと、少し反省した。
構成員の中には当然、「関係ない人を巻き込むなよ」という意見の人もいると思う。そういう人にとっては、迷惑この上ないことだろう。
それに、いままでの慣習では、「イベントに関係ない人は、タッチしない」というのが不文律だったのである。
しかし、言ってしまったことは仕方がない。
言わなきゃよかったかな、と思っていたら、数日後、イベント担当の部局から一斉メールが来た。
「7月6日のイベントにご協力いただける方は名乗り出てください」
「大きな会議」での言い出しっぺとしては、ここで名乗り出ないわけにはいかない。
「外国語はできませんが、それ以外なら何でもやります」
と返事を出した。
ところがその後、当日のイベントの役割分担について、いっこうに連絡がないまま時が過ぎた。
(人が足りて、俺は必要なくなったのかな…)
と思っていたら、今日(日曜)の夜、ようやく、
「前日になってしまいましたが、ようやく明日の仕事の分担が決まりました」
というメールが来た。
そのメールで初めて、明日のイベントのお手伝いに名乗りを上げた人たちの人数がわかったのだが、その人数が、ちょうど10名だった。
同僚40名のうちの10名だから、そこそこの人数である。
「どんな組織でも、損得抜きで協力してくれる人が10名ていどは存在する」
というのが、私の経験から生み出された法則で、これを「10人の法則」と呼んでいる。
会議で発言したのは無駄ではなかったのだ。
さて、明日のイベントは、成功するだろうか。
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