日本でいちばん美しい村
7月9日(木)~7月10日(金)
Y県O村は、日本でいちばん美しい村といわれている。
2012年と2013年の2年間、調査のために5度ほどO村を訪れた。そのことがご縁で、O村のKさんから、O村にあるお堂についてぜひまた再調査をしてほしいといわれていた。
このたび、卒業生のT君が各方面に調整をしてくれたおかげで、ようやく再調査が実現する運びとなった。
O村は、Y県の北部に位置する山間部の村で、交通手段は車しかない。県庁所在地の市から、車でおよそ2時間弱かかる。
調査メンバーは、T君のほかに、前の勤務地の時代にお世話になった3人の老先生方である。とくに老先生のIさんと調査で再会できたことが、なにより嬉しい。「また一緒に調査に出かけましょう」という約束が果たせたからである。
朝、O村に到着し、案内人のKさんと再会し、お堂のある場所に向かう。
途中、発掘調査を行っている場所があったので車をとめた。
「Y県のM文センターの方が調査されている現場ですよ」とKさん。
「それじゃあ、知り合いがいるかもしれませんね」と私。
車を降りて調査現場に行くと、以前一緒に仕事をしたことがあるM文センターのSさんが調査担当として現場を仕切っていた。
「お久しぶりです」と私。
「今日はどうしたんです?こんな遠くの村まで」
Sさんは驚いた様子だった。そりゃあそうだ。まさか私がこの村に訪れているとは、思わなかったであろう。
「今日はこの村のお堂を調査する目的で来たんですが、たまたま通りかかりまして」
ま、たまたま通りかかるような気軽な村ではないのだが。
しかし、ひょんなところで知り合いと再会するものである。
「なつかしいですねえ」とT君。2年前の調査のときも、T君と訪れたのであった。
「あのときは曇っていたけれど、今日は快晴だね」
「そうですね。今日は暑くなりそうです」
このお堂を訪れたのは2回目だが、私はこのお堂が好きだ。
なにしろ、ここからの眺めがすばらしい。天気がいいからなおさらである。
午前と午後、じっくりと調査をして、予想以上の成果があがった。
「こんなに丁寧に調査していただいて、ありがとうございました」とKさん。
これで、O村のKさんとの約束が果たせた。
「まだ少し時間がありますか?」とKさんが続けた。
「ええ」
ではこの近くにある沼にご案内します。
「先ほど通った沼ではなく?」
「ええ、あの沼の向こうに、もうひとつ沼があるのです。この山道を少し登って下りたところにあります」」
Oさんについていって山道を少し登ると、突然視界が開け、沼が見えてきた。
めったに人が足を踏み入れない沼。
O村は、まことに奥が深い。
O村をどんどん好きになってゆく。
「今日はどうもありがとうございました」
O村のKさんとお別れして、O村をあとにした。
いい調査だった。
また、O村を訪れる機会はあるだろうか。
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