お笑い芸人最強説
ちょっと前のことだが、妻がある懇親会に出たとき、大学院の修士課程に在籍する女性とお話しする機会があったそうだ。
いろいろと話してみると、その人はなんと大学生の時に書いた小説が松本清張賞をとったというのだ。
つまり、現役大学院生にして、文学賞受賞作家である。
うらやましい!しかも、松本清張の名を冠した賞ですよ!
しかし、よくよく聞いてみると、実際にはけっこう大変なのだそうだ。
賞をとったあと、出版社の編集者の人から、
「作家以外の仕事を見つけておくように」
みたいなことを言われたのだという。
賞をとった作家なのだから、作家1本でやっていけるのではないか、と素人との私なんぞは思ってしまうのだが、どうもそうではないらしい。
小説だけでは、とても食えていけないから、ちゃんとした仕事を持って、安定した収入を確保した上で、小説を書きなさい、ということなのだろう。
最近は小説だけで食っていける人なんて、ほんの一握りの、ベストセラー作家だけなのかもしれない。
ベストセラー作家になり、自分の名前がブランドになれば、さらに本は売れていく。
だから店頭には同じような作家の小説ばかりが平積みされているのだ。
考えてみれば、私の書く原稿など、世間になんの影響も与えていないし、書けば書くほど赤字になるというしくみになっている。
まあこれは、完全なひがみなのだが。
ひがみついでに言えば、売れる作家になるためには、もちろん本人の才能が一番重要だが、それだけでは十分ではない。
まずお笑い芸人になることではないだろうか。
お笑い芸人になれば、映画監督でも、小説家でも、画家でも、たいていの芸術的営みにおいて注目され、幅広い支持を得ることができる。
芸術的営みだけではない。政治家になった人もいるし、起業した人だっている。
お笑い芸人は最強なのである。
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コメント
今日は、職場をオープンにする日だった。
何年やっていても、人前で話すことは難しい。
というか、最近はどんなやり方が正解なんだか、分からなくなってきた。
そこで実は、とある講座で、ひそかに勉強しているのである。
なにしろ、この講座では舞台俳優が先生役となって説明してくれるから、実践的この上ない。
たとえば、喉が枯れないように喋るには「喉を開ける」とよいらしい。
さあ、画面の前のよいこの皆さん、
特に、夢に見るほど声優になりたいと思っている、そこのあなた、
あくびしたつもりで「あ~あ」と言ってごらんなさい。
そうそう、その喉の開き方のままで、声を出してみてください。
ほらね、クリス・ペプラーみたいな、いい声が出せるでしょ。
でも小さな声じゃ遠くまで届きませんよ。
大きな声を出すには、目を見開くといいのです。
そう、そういう感じで目を見開いて大きな声を出して、声のトーンも明るめにして。
これでもお、聴衆はあなたの美声に釘付けです。
でも声だけでは、まだ足りません。
演壇の後ろに突っ立っているのではなく、舞台の上を歩き回って「空間」をそこに作ることが大事なのです。
そして喋りながら身振り手振りを加えて、聴衆の眼球を動かすようにしましょう。
聴衆というか、もはや観衆と呼ぶべき人々のの眼球を動かせるようになったら、次に挙手させたりして、さらに観衆を動かすようにしていきましょう。
そう、そうやってどんどん観衆を動かして、一体感を作っていくのです。
そうすれば、やがてそこには舞台と客席が一つになった、新たな「空間」、新たな「舞台」が誕生することでしょう。
第三舞台かよ。
というか、ここまでちゃんと、クリス・ペプラー調で音読してますか?
なんというか、枯山水みたいな話芸が理想なんだけどなあ。
2つ話題を用意して、客が乗らなければ1つで止め、興に乗れば3つ話す、みたいな。
だいたい、こちとらピンで板の上に立ってんだから、目指すのは演劇じゃない。
噺家が最強なのである。
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なんてことを書いて、夜更かしてる場合じゃない。
明日は、本格的な押しかけ合宿を敢行する日なのである。
しかも、いつもの「一人合宿」ではない。
本物の体育会系合宿に加わって、若い人たちと一緒に、トレッキングに山岳サイクリング、カヌーに綱渡りと、様々な種目でみっちりしごかれるのである。
宣伝文句では「G山は自転車天国だ」と謳っているが、山伏が跋扈するような険しい山の奥にあるのは、どう考えて見ても坂道地獄だ。
休日出勤明けに、こんな合宿に自腹で加わるなんて、我ながら、どうかしてる。
でも、一番気になっていることは、相部屋になる「謎の山岳ガイド」とは何者か、ということなのだが。
投稿: 最強こぶぎ | 2015年7月18日 (土) 23時10分