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ぐうの音も出ない

先日の「サックス8人会」について、もう少し書く。

いちばん傑作だったのは、次のような話題である。

モリカワさんが近所の本屋で、私が去年出した本を見つけたのだが、「こんな小さな本屋さんにも置いてあるんだ~」と思っただけで、買わなかったのだという。

そしたらそこにいる全員が、私の本を買っていなかったことが判明した。そればかりか、昨年うちの職場で行ったイベントにも誰も来なかったし、昨年末に放送したラジオも誰も聞かなかったというのだ。

「おい、お前ら!それでも友だちか!」

例によって私の「かまって病」が始まった。

「だって本の内容に興味ないし。お前の職場まで行くのも遠くてめんどうくさいし」とコバヤシ。みんなが大きくうなずいた。

「そりゃあ、興味があれば本だって買いますけど、興味ないですもん」とモリカワさんがたたみかけた。

なんてやつらだ!とうちひしがれていると、自動車会社に勤めるオオキが言った。

「じゃあ聞きますが、僕は会社で○○という車を開発したんですけど、買ってくれますか?」

「…いや、それはその…あんまり車には興味ないし…」

「先輩がもしおうちを建てるとして、そのときに「サカクラプロデュース」でガーデニングを任せてくれますか?」と、今度は造園会社に勤めるサカクラさんがたたみかけた。

「…いや、それはその…あんまり興味ないし、家を建てるとか考えてないし…」

「ジロー君やアサカワ君のライブにいちどでも行きましたか?」とモリカワさん。

「…時間が合わないことが多いし、それにライブハウスまで遠いしなあ」

「そういうことなんですよ、先輩」とモリカワさん。

「……」

「先輩が逆の立場だったら、私たちの仕事なんて、それほど興味ないでしょう?」

「…それもそうだな…」

「でも興味がないからといって、友だちじゃないということではないんですよ。そんなことは関係ないことなんですよ」

「…なるほど」

考えてみれば、高校時代、それぞれがどんな職業につくかなんて、わからなかったのだ。そんなことなど関係なく友だちだったわけである。

俺は一体何にこだわっていたのだ?たんに頑張ってるいまの自分を見てくれと一方的に望んでいただけだったのではないのか?と、自分が情けなくなった。

高校時代からの友人とは、言いたいことを言い合うことが大事。

社会人になってからの友人とは、励まし合うことが大事。

この持論は、今も変わっていない。

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