取り越し苦労の子守歌
8月21日(金)
今でも強烈に印象に残っている4コマ漫画がある。
1コマ目。
将棋盤を真ん中に向かい合う二人。一人(A)が、第一手をさす。
2コマ目。
対するもう一人(B)は、黙ったまま考えこんでしまい、まったく動かない。
3コマ目。
2コマ目と同じ絵。
4コマ目。
Bが、「まいりました」と頭を下げる。
というもの。
タイトルは「読みの名人」。
この意味、わかるかな?
正確にいうと、私はこの4コマ漫画を直接見たわけではない。
子どもの頃に読んだ鈴木健二の本の中で、文章の形で説明されていたのである。
なので、本当にこんな4コマ漫画があったのかは、不明である。誰が描いた漫画なのかも、わからない。
だが子どもの頃から、この「見たことのない4コマ漫画」が強く印象に残り、いまでもちょくちょく思い出すのである。
ここに出てくる、「まいりました」と頭を下げる棋士は、まさに私そのものではないか!
常に深読みしすぎ、妄想がすぎて、自滅するのである。
仕事にせよ、人間関係にせよ、よかれと思って提案したことや、言ったことに対して、まだ反応がはっきりと返ってきたわけではないのに、
「あ~あ、絶対『あいつ、なに先走ってんだよ!』と思われてるだろうなあ」
とか、
「あ~あ、絶対『あいつ、なに調子乗ってんだよ』と思われているだろうなあ」
などと、いつも最悪の事態を考え、ウツになってしまう。
たとえば、職場で私が提案した取り組みについて、まだ何も始まっていない段階で、
「あ~あ、どうせみんなから冷ややかに見られているんだろうなあ」
「この取り組み、絶対に失敗するんだろうなあ」
と、つい、思ってしまうのである。
つまり、始まる前から、
「まいりました」
という気持ちになってしまうのである。
あと、些細な出来事を過剰に意味づけて得意げに語ったりして、相手にドン引きされて自滅したりね。
まあ、私の人生は、そんなことの繰り返しである。
とくにこの夏は、そんなことがよくあった。
振り返るたびに、軽く死にたくなる。
だからせっかくの楽しい夏休みなのに、例によって気に病んでしまったのである。
まったく面倒くさい性格である。
さて、冒頭に紹介した、「読みの名人」という4コマ漫画。
死ぬまでにぜひ一度実物を見てみたいものだ。
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