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サムソン美術館での出来事

8月27日(木)

前回に引き続き、「面白さが伝わりにくい、というか、クドいばかりでさほど面白くない話」シリーズ。

その、ソウルにあるサムソン美術館でのこと。

いま開催されている特別展は、思いのほか見応えがある。

韓国を代表する優品ばかりが展示されていた。

つい時間を忘れて見入ってしまったのだが、長い時間見入ってしまったために、尿意をもよおした。

だが、特別展の会場を一度出てしまうと、再入場はできないことになっている。

私立の、しかもとてもオサレな美術館なので、入場料も高い。せっかく高いお金を払って見に来たのだから、特別展を最後まで見ないともったいない。

なんとか尿意と戦いながら、特別展を最後まで見終わった。

さあ、トイレに行こうと、エントランスにあるトイレに向かうと、なにやら人だかりがしている。

そればかりでなく、警察官が何人か、トイレの前に立っているではないか。

トイレに入ろうとすると、

「ここはダメです。あっちへ行け、しっ、しっ」

と、向こうへ行けという仕草をしている。

なんだなんだ?どういうことだ?

ははぁ~ん。さてはVIPが来ているな!

サムソン美術館といえば、韓国のセレブたちが集まる、高級感あふれる美術館である。

しかもいまは、特別展が開催され、韓国内の優品が集められている。

VIPが来ていてもおかしくないのだ。

トイレの方からは、女性の「キャー」という歓声も聞こえるではないか!

来ているVIPというのは、イケメンの俳優なのか?

それとも財閥の御曹司なのか?

そんなことを思いながら、少し離れたところにある、もうひとつのトイレに向かった。

すると、トイレには男女ともに列ができている。しかも女性トイレは長蛇の列である。

順番を待って、ようやく用を済ませたのだが、トイレに入ってみて驚いた。

なんと、そのトイレは小用便器が一つしかなく、つまりは一人用のトイレなのである!

こんなに大きな美術館なのに、何でこんなにトイレが小さいのか?バランス悪すぎるだろ!

おそらくVIPが入っている方のトイレも、同じように一人用なのだろう。だから、トイレの前で警官が警護をしたのだろう。

ふつう、大きな美術館や博物館には、一度に何人も用が足せるようにトイレが作られているはずなのだが、この美術館はそうはなっていない。

なるほど、やはりセレブはお上品だからトイレになんか行かない人たちなのだろう、だからトイレをたくさん作る必要はないのだ、と、私は妙に納得したのだった。

さて、私がトイレから出たあとも、例のトイレの前には、まだ警官が数人立っていた。

用を足すのにどんだけ時間がかかっているんだ?このVIPは。

VIPが誰なのかひどく気になったのだが、集合時間まであまり時間がなく、私はまだ常設展を見ていなかったので、急いで常設展を見ることにした。

常設展を見終わり、集合場所に行くと、今回の出張のメンバーの一人であるKさんが言った。

「先ほどはタイヘンでしたよ。でもようやく解決したみたいです」

「何がです?」

「さっき、トイレから奇声が聞こえませんでしたか?」

「奇声?」

「女性がトイレに立てこもって、奇声を上げていたんですよ。それで、警察まで来ちゃってタイヘンだったんですから」

「え?それじゃあ、トイレの中にいた人は、VIPじゃなかったんですか?」

「VIP?何言ってんですか。VIPなんかじゃありませんよ。頭のおかしい女性です」

「警官は、警護の警官じゃなかったんですか?」

「違いますよ。通報を受けて駆けつけた警官ですよ」

「ええぇぇぇっ???」

「ついさっき、その女性は警官たちに取り押さえられて、ようやく出ていきました」

なんと!トイレの前に警官数人がいて、一般人を寄せ付けない仕草をしていたので、私はてっきりVIPがトイレに入っているものだと思っていたのだが、真相は全然違っていたのだ!

トイレの方から聞こえた女性の声も、「ファンの歓声」ではなく、「立てこもった女性の奇声」だったのだ!

私はつい、「セレブが集うサムソン美術館」というイメージから、VIPが来ていた、と勝手に解釈していたのだった。

これは「空脳」なのでしょうか?

というか、女性がトイレに立てこもって奇声を上げて警察沙汰になるなんて、ここはどんな美術館なんだ?

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