韓国路線バスの謎
こぶぎさん、正解です!
8月8日(土)
これから書くことは、とてもわかりにくい話です。ひとえに私の説明が下手であることによりますので、ご容赦ください。
韓国に滞在してストレスがたまることの一つは、路線バスである。
とくにソウルのバスは、複雑すぎてよくわからない。
韓国の路線バスには、すべて番号がついている。
目的地までバスで行きたい場合、自分の乗るべきバスの番号をあらかじめ調べたり覚えたりして、停留所にそのバスが来たら乗ることになる。
バス停にバスの時刻表はない。
バス停には、番号ごとにバスの路線図が書いてあり、そこに「何分間隔で来ます」みたいなことが書いてある。
最近は、停留所に電光掲示板が普及していて、「○○番バスは、○分後に来ます」みたいなことがリアルタイムでわかるようになっている。
なので、時刻表がなくとも、それじたいがストレスになることはない。
以前に書いたことがあるが、バス停に自分の乗りたい番号のバスが近づいたときに、
「バスに乗ります!」
と運転手に意思表示をしないと、バス停を通り過ぎられてしまう場合がある。
バスの運転手に見えるように、
「おーい!そのバスに乗りまーす」
とアピールしなければ、バス停にとまってくれないのである。
バスを降りる場合も同様である。
降車ボタンを押しても、座席に座っていたままでは、バス停にとまってはくれない。
降車ドアの近くに立って、
「次、降りまーす」
と運転手にアピールしなければ、とまってくれないのである。
まあ、ここまでは、私もさすがに慣れてきた。
しかしこれだけではなかった。
今日、ソウルの南の郊外にある研究所に訪問することになった。
ソウル南部郊外の地下鉄の駅で降りて、そこから303番のバスに30分ほど乗って、Aというバス停で降りれば、その研究所にたどり着く。
そこまではあらかじめ調べておいて、その通りに向かうことにしたのだが、なにしろはじめて乗るバスである。
自分が降りるべきバス停に、バスに乗ってからどのくらいで着くのかが、わからない。
バスの中には、路線図が書いてあるのだが、これが必ずしも正確ではない。
途中の停留所を抜かして書いている場合があるので、うっかりそのまま信じることはできないのである。
もうひとつ、バスの車内では、
「次の停留所は○○です。その次の停留所は××です」
という自動アナウンスが流れるのだが、これも全面的に頼ることはできない。
音声が小さすぎて聞きとれない場合があったり、運転手がうっかり、というか面倒くさがって、自動アナウンスを放送しない場合が、稀にあるのである。
今日乗ったバスが、まさに「自動アナウンスの音声が小さすぎて聞こえない」というパターンだった。
そうなるとあとは、バスの窓から目視でバス停の名称を確認し、自分の降りるバス停があとどのくらいかを推測していくしかないのである。
しかし、それでもわからない場合がある。
バス停に表示されている「次の停留所」の名称が、路線図と一致していない場合もあるのだ!
結局、いちばん確実なのは、
「運転手さんにどこで降りればいいかを聞く」
という方法である。
最も原始的な方法が、最も確実なのである。
結局今日はそうやって、なんとか研究所の近くのバス停で降りることができた。
その研究所は、人里離れた場所にあり、バスだけが唯一の公共交通機関である。
研究所での用事が終わり、再びソウルの市街地へ戻るために、バス停に向かった。
バス停には、行きに乗ってきた303番バスのほかに、いくつものバスがここを通ることがわかった。
303番のほかに、350番、220番、それに、9003番、9004番、9005番など、9000番台のバスもこの停留所を通る。
バス停に貼ってある路線図を見ると、9000番台のバスは、直接ソウルの中心部に行くらしい。
ということは、9000番台のバスに乗れば、郊外の駅から地下鉄を乗り換えたりすることなく、ソウルの中心部に行くことができるのだ。
しかも、その路線図には、「20分間隔で来ます」と書いてある。
当然、9000番台のバスを待つことにする。
ひとつ、気になる貼り紙があった。
「このバス停には、ここを通るすべてのバスがとまることになっています。もし不便なことがありましたら、下記へご連絡ください」
と書いてあり、バス会社の電話番号らしきものが書かれていた。
「すべてのバスがとまることになっています」…?そんなの当たり前だろう、と思いながら、バスを待つ。
最初に来たのが、9005番バスである。
いつもそうしているように、バス停から少し道路にはみ出しながら、
「乗りまーす」
と意思表示をすると、あろうことか、そのバスはスピードを落とすことなく、私の横を通り過ぎてしまった。
どうなってんだ?
俺のアピールが足りなかったのか??
20分ほど待った。
すると今度は、9003番バスが来た。
今度はさっきより強くアピールして、
「乗りまーす!」
と意思表示すると、なんとまたスピードを落とすことなく、また私の横を通り過ぎてしまったのである!
どうなってんだ?
また20分ほど待った。
すると今度は、9004番バスが来た。
今度は走ってくるバスの前に立って、ひかれるのを覚悟で運転手さんに向かって手を振って、
「乗りまーす!」
と意思表示をした。
すると、バスの運転手さんは、私に向かって、手で大きく
「×(バッテン)!」
の仕草をして、スピードを落とすことなく、私の横を通り過ぎてしまった。
いったいどうなってんだ?
バス停には、9000番台の路線バスの路線図が書かれていて、「20分ごとに来ます」と書いてあるのである。
ということは、それらのバスは、このバス停にとまることになっているのだ!
しかも、これだけ意思表示をしても、無視されてバスが通り過ぎてしまう。
バス停に「○○番のバスがこの停留所にとまります」と書かれている番号のバスが、バス停にとまらずに通り過ぎるとなると、いったい何を信じていいのか、よくわからない。
こうなると、先ほど見たバス停の貼り紙、
「このバス停には、ここを通るすべてのバスがとまることになっています。もし不便なことがありましたら、下記へご連絡ください」
の意味するところが、妙に気になってしまう。
いずれにしても、すでに9000番台のバスに3台もふられ、バス停で1時間も棒にふってしまったのである。
(もう一生、ソウルには戻れないんじゃないだろうか…)
と泣きたくなってきた。
しかし、ともう一度落ち着いて、バス停の路線図をすべて見直してみる。
反対方向から来た303番バスに乗れば、さきほど降りた地下鉄の駅にたどり着くことができる。
そのほかにも、200番台や300番台のバスに乗れば、必ずどこかの駅を通ることがわかった。
とにかくなんでもいいから、来たバスに乗って、どこか郊外の駅に着けば、そこから地下鉄を乗り継いでソウルの中心部に向かうことができる。
結局、220番のバスが一番早く来たので、そのバスに乗って、地下鉄に乗り換え、なんとかソウル中心部に戻ることができた。
それにしても、なぜ9000番台の路線バスが、停留所にとまらずに通り過ぎてしまったのか?その謎は残ったままである。
韓国の路線バスは、複雑すぎてわからない。
そこで提案なのだが。
テレビの人気番組である「路線バスの旅」。あれを、韓国でやってくれないかなあ。
絶対におもしろい番組になると思うんだが。
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コメント
(ナレーション・キートン山田)やっと研究所まで辿りついた3人ですが、そこからバスがつながりません。
(太川)おかしいなあ、来るバス来るバス、みんな止まらないで通り過ぎちゃう。
(蛭子)もお暑いから、パチンコ屋かなんかで休もうよ。
(太川)韓国にそんなとこあるわけないでしょ。
(蛭子)でも競馬場もカジノもあるじゃない。
(太川)だから、そういうとこに行くには、バスがに乗らなくちゃいけないでしょ。
(マドンナ)ハッ!
(太川)どうしたの、紀子ちゃん。
(マドンナ・加藤紀子)バス停の看板に「全てのバスが止まります」って書いてあったでしょ。
(蛭子)だから、それが全然止まらないんだって。
(加藤)「止まります」って、このバス停でお客を乗り降りさせるって意味じゃなくて、ここでバスが全部止まる、つまり「終点」って意味じゃないですか?
(太川)それじゃあ、道路の向かい側に反対方向のバス停がないっていうことは、ここで置き去りにされたってということ?
(蛭子)いいから、とりあえず喫茶店でも入ってさ、アイス・カペ・アメリケーノ飲もうよ。
(加藤)蛭子さん、こういう状況でよくそんな事が言えるね。
(太川)でもまあ、こういう時は頭を冷やして考えますか。確か、一つ前のバス停が「○○食べ物村」とか言う名前だったから、そこまで戻れば何かあるでしょ。
(炎天下の中、歩いて道を引き返す3人)
(急に駆け出す加藤紀子)
(ナレーション・キートン山田)紀子ちゃん、何を見つけたの? 後半に続く。
(CM)
投稿: バス旅こぶぎ | 2015年8月 9日 (日) 09時33分
恐るべし、こぶぎさん
たったこれだけの情報で、しかもバスの番号をうろ覚えで書いてしまったにもかかわらず、バス停の名前がわかってしまうとは、恐れ入ります。
もちろん、私も「○○食べ物村」というバス停まで戻りましたよ。しかし、その「○○食べ物村」というバス停にも、9000番台のバスはとまらなかったんです。
やはり謎です。
投稿: onigawaragonzou | 2015年8月10日 (月) 00時46分