園子温版「地獄変」
10月2日(金)
妻に「園子温監督の映画『地獄でなぜ悪い』(2013年公開)が絶対面白いから見たほうがいい」と言われ、見ることにした。
恥ずかしながら、園子温監督の映画を初めて見たが、映像の感じが、大林宣彦監督的で、ちょっとノスタルジックな印象を受けた。もちろん映画の内容ではなく、映像の雰囲気が、である。
たとえていえば、8ミリカメラを片手に、縦横無尽に動きまわって遊びまくるような感じ、といったらよいか。
そう思って調べてみたら、園子温監督も、大林監督と同じく、自主映画出身の監督だったのね。
だから、映画への愛の注ぎ方が、大林監督と同じ匂いがするのだ。
それに、この映画じたいが「映画に対する無条件な愛」にあふれている。「映画至上主義」なのだ。
これは、いってみれば園子温版「地獄変」である。タイトルに「地獄」という語を使っているのも、それを意識したのではないだろうか。
この映画、とにかくキャストがすばらしい。どれもピッタリはまっている。私なりに思いついたことを書き出してみる。
・この映画の主役は、國村隼である。私が以前から主張している「國村隼は、ソン・ガンホだ!」という説が、この映画で証明された。
・友近がホンイキで芝居をすると、むちゃくちゃ面白い。
・二階堂ふみがすばらしい。韓国映画の名作「オールド・ボーイ」を日本で制作するとしたら、ミド役は間違いなく二階堂ふみだな。
・なによりこの映画でいちばんよかったのは、長谷川博己である!俳優に対して手厳しい妻も、「長谷川博己はいい」と絶賛していた。芸達者な役者だ。神木隆之介君が年を重ねたら、ぜひ長谷川博己みたいな役者をめざしてもらいたい。
わかる人だけわかればよろしい。
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コメント
「地獄でなぜ悪い」いいですよね!僕は星野源が歌っている時のイメージとは全く違って見えて、あんな演技ができたことにも驚きでした。
投稿: ながお | 2015年10月11日 (日) 15時28分
私はこの映画で、初めて星野源という人を認識しました。私はまったく逆に、こういう役者さんなんだと思って見ていたら、エンディングの歌が星野源だったので、へえ、歌手だったんだと驚きました。
投稿: onigawaragonzou | 2015年10月11日 (日) 20時37分