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コバヤシと新橋で飲む

基本的に、大勢の飲み会に参加するというのが苦手である。

以前、おじさんばかりの飲み会に参加した時に、ふだんは会議を仕切ったりする管理職のおじさん連中が、ガッハッハと、とても下品な会話をしていて、

(これがこの人たちの本音なんだろうな…)

と思ったものである。

飲み会の席になると急に、下品な物言いで本音を言い出したり相手を見下したりする人を、いかなる立場の人であろうと、私は信用していない。

先日、高校時代の友人、「元福岡のコバヤシ」と、新橋で飲んだ。

新橋で飲むなんて、完全なオッサンだな。

もっとも、新橋の焼き鳥屋で飲んでいても、まったく違和感のない年齢なのだ。

なぜコバヤシとの友情が続いているか、会話をしながら、わかったことがある。

彼はお酒を飲んでも、こっちが不快になるようなことを、決して言わない。

酒を飲んだから許されるだろう、みたいな下品な話を、一切しない。

誰に対しても、差別的な発言を一切しない。

もちろん、軽口をたたくことはある。でもまあそれは、高校時代から変わっていないことだし、不快でもない。

もしコバヤシが、お酒を飲んで「ガッハッハ」と品のない話を始めたとしたら、友だちづきあいをやめていたことだろう。

彼は人間に対するまなざしが、あたたかいのだ。

だって、売れないミュージシャンをやってる高校時代の後輩のライブに行ったりCDを買ったりして、そのたびに感想をメールで送ったりしているんだぜ。

そういうところは、私には欠けていることである。

「俺の役割ってのは、むかしから変わっていないと思うよ」とコバヤシ。

「どういうことだ?」

「むかしは、おまえが愚痴を言うのを延々と聞かされていただろう。3時間くらい」

「そうだな」

「いまは会社の後輩が言う愚痴を、さんざん聞かされているよ。3時間くらい」

「なるほど」

話題が、高校時代の友人の話におよぶ。

「○○も、久しぶりにみんなに会いたがってるんじゃないか?」とコバヤシ。

○○、というのは、長い間音信不通で、最近になって実に久しぶりに連絡を交わした高校時代の友人のことである。

その友人と、今度一緒に飲もうと約束したのだが、私自身が忙しくて、まだ約束を果たしていなかった。

早く実現しなくてはならない。

音信不通の間、波乱の人生を歩んだと思われる○○に対して、コバヤシはそんなこと関係なく、高校時代と変わらずに接することだろう。

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