勝手にすれ違う二人
1月17日(日)
韓国滞在中の1月10日に、「同い年の盟友・Uさん」からCメールが来た。
「来週土日、I川市で○○会。会えれば会いたいですね。土曜夜は懇親会。来る?」
I川市は、私が住んでいる市である。来週の土日、ある会合があって、私の「前の勤務地」に住むUさんが、新幹線と在来線を乗り継いで参加するらしい。あんたも家が近いだろうから、一緒に懇親会に参加しよう、というのである。
せっかくUさんがわが家の近くまで来るというのに、なんともタイミングが悪い。
私は返事を書いた。
「昨日から韓国滞在中。明日から5日間仕事で、16日(土)夜に帰国。またすれ違いだ」
思えば、Uさんとはすれ違ってばかりである。
さて、16日(土)。
「○○会の場所はI川市ではなくI原市でした。お土産買ってきた。なんとかする。」
会場に到着したことを知らせたメールだが、おいおい、場所はI川市ではなくI原市だったのかよ!同じ県の中にあって、地名が似ていて紛らわしいことで有名なのだが、それにしてもI川市とI原市は地理的にずいぶんと離れている。これでは、どんなに頑張っても駆けつけることはできない。
しかし不思議なのは、私に会えるかどうか保証もないのに、「お土産を買ってきた」というのである。しかも「なんとかする」という。
お土産を受け取れなければ、またいつかのことみたいになるぞ!
これはなんとしても、お土産を受け取らねばならない。
とりあえず、16日の夜に羽田空港に着いてすぐに、UさんにCメールを送った。
「帰国。明日は何時頃にI川駅付近通る?少しの時間でも途中下車可能?」
I原市のG駅から東京駅に向かうには、必ずI川駅を通るはずである。私がそこで待ち構えていれば、お土産を受け取ることができるはずだ。
するとUさんから返事が来た。
「午後早いうちですが、時間は未定。どこかに置いて、鍵郵送する予定でした。お昼頃、I川にいる?」
気になったのは、「どこかに置いて、鍵郵送する予定でした」という記述である。
これは、お土産を、どこかの駅のコインロッカーに入れて、その鍵を私のところまで郵送する、ということだろうか???そんなことを考えていたのか???
で、その鍵を受け取った私が、コインロッカーを開けてブツを受け取る。
アヤシい!アヤシすぎる!
それだけは勘弁してほしい。なんとしても直接受け取らなければならない。
私は返事を書いた。
「I川にいるよ。体調不良なので終日家にいる予定だがお昼頃I川駅あたりまで出ることは可能です」
「了解!着きそうになったら連絡します」
さて、今日(1月17日)。
お昼過ぎの13時3分、UさんからCメールが来た。
「ただいまG駅到着。今からI川駅に向かいます!」
会場の最寄りの駅からI川駅までは、電車でだいたい1時間くらいなので、その時間に間に合うように家を出ればよいだろうと思って待っていると、13時12分に、第二のメールが来た。
「電車乗りました」
ここまでは、意気揚々、余裕綽々な感じである。いたって順調といえよう。
ところが、13時23分に来たCメールで、事態が変わる。
「しまった!間違えてKY線乗り換えちゃった!」
えええぇぇぇぇっ!!!
KY線に乗り変えちゃったらダメじゃん!I川駅通らないじゃん!
ふつうSB線に乗り換えるだろ!
ま、KY線もSB線も、東京駅に向かう電車なので、仕方がないといえば仕方がないのだが。
13時27分、次のメール。
「I川S浜って、I川駅に近い?」
KY線の停車駅であるI川S浜駅で落ちあおうと考えたらしい。だがI川駅とI川S浜駅は、同じI川市でもまったく異なる場所にあるのだ。
「遠いよ」
と私は返事を書いた。
この時点で私は、お土産を受け取ることをあきらめた。
結局、すれ違う運命にあったのだ。
○○会の会場を、本当はI原市なのに、私が住んでいるI川市だと勝手に思い込んでしまったこと。
SB線に乗るべきはずが、なぜか間違えてKY線に乗ってしまい、I川駅にたどり着けなかったこと。
これほど「すれ違い」を自己演出できる友人も珍しい。
すると13時34分、またメールが来た。
「よくわからないので東京駅に戻ってSB線乗り直しまーす。」
UさんがI川駅に着いたのが、14時45分。
改札口で、お土産を受け取った。
「これ、遅くなったけど、転任祝い」
「今さらかよ!…ありがとう」
「じゃ、帰るわ」
「気をつけて」
Uさんは再び改札口を入り、ホームへとのぼっていった。
その間、わずか30秒ほどのことだった。
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