「最終講義」について考える、のココロだぁ~
(BGM)(ナレーション)
「『鬼沢昭一の、鬼沢昭一的ココロ』、今日は、『最終講義について考える』
口演:鬼沢昭一
筋書き:鬼瓦権造
お囃子:山本直純」
(BGM終わり)
最終講義の季節であります。
「最終講義」といいますと、たいていは通常の授業の最終回の講義、という意味ではなく、それとは別に、土曜とか日曜とか、卒業生も集まりやすい日に「最終講義」と銘打った講演を行うってのが、「最終講義」ってモンです。
しかしアタクシの指導教授だった先生は、定年退職の年に、「最終講義」と銘打った講演をしませんでした。
サア困ったのは弟子たちです。先生の「最終講義」がないのならば、せめて通常の授業の最終回の講義、もちろん平日ですが、に、みんなで出席しようではないか、ということになりました。
ところが、です。
その先生は、授業の最終回の1回前の授業の最後に、こんなことをおっしゃいました。
「これで講義は終わりです。来週は休講です」
ええええぇぇぇぇっ!!!
驚いたのは弟子たちです。
仕事を休んででも授業の最終回を聴きに行って、せめてそれを「最終講義」としてみんなでお祝いしようと考えていた弟子たちは、肩すかしを食らったのでアリマス。
仰々しいことを嫌う先生ならではのお人柄が表れていて、アタクシはその先生をますます尊敬したのでありました。
しかしその先生の先生、つまりアタクシにとって祖父筋にあたる先生は、逆に最終講義に命をかけた先生でございました。
なんてったって、最終講義のためだけに準備した、とっておきの新ネタを披露して、それがその後一冊の本になったんですから。
やはり昔の先生ってのはすごいんでございますなあ。
最終講義にそこまで情熱を傾ける先生を間近に見ていたからなのか、アタクシの先生は、最終講義をやらない、という選択肢を選んだのであります。
どちらもかっこいいねえ。
さて、アタクシの知人、われらが宮坂さん。とあるところからお誘いのメールが来ました。
なんでも、偉い先生が最終講義をするので、お時間がある方はぜひ出席してほしいというメールで、その先生のお弟子さんと思われる方が、多くの人に向けて一斉に送っているようであります。
宮坂さんはその先生と若干のおつきあいはありましたが、日常的にお世話になっていたというわけでもなく、弟子というわけでもありません。それにあいにく、その日は外せない仕事が入っていて、お祝いしたい気持ちはあるものの、どうしても出席できません。
マア、多くの人に一斉メールを送っているようだし、出席できないのであれば、お返事を返すまでもなかろう、欠席とわかってくれるだろうと、そのままにしておりました。
すると数日後にまたメールが来ました。
「先日のメール、ちゃんと届いているでしょうか。まだ出欠のお返事をいただいていないようなので、明日までにご返信をお願いします」
最近の最終講義は、事前にきちんと出欠をとることになっているらしいと、宮坂さんはそのときに初めて知ったのでありました。
「ことによるとこれは、最終講義でも出欠をきっちりと確認して、単位を出すのかも知れないな」
と宮坂さんは思ったのでありました。
そうだとしたら宮坂さん、あなたの成績は「不可」ですぞ~。
明日は、「ふるさと納税」について考える、のココロだぁ~!
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