眼福の先生との旅
2月18日(木)
今回の旅の目的は、眼福の先生とご一緒して例のモノを調査することである。
眼福の先生とは、もう何度一緒に旅していることだろう。
「あなたのせいですよ」と眼福の先生が私に言った。
「引退しようと思っていた私を、あなたがこの世界に引きずり戻したせいで、私の老後の人生設計が狂ってしまった」
「この世界に引きずり戻した」というのは、私が「前の職場」にいたときに、先生を調査と講演会にお呼びしたことがきっかけとなって、その後も調査のために一緒に全国各地を行脚するようになった事態のことを意味する。
「老後の人生設計、ですか?」
「私には、東海道の宿場町を歩いてまわるという老後の夢があった。だがあなたのせいで、こちらの調査にかかりきりになり、そんな余裕はなくなってしまった」
しかし眼福の先生は、まんざらでもない、という顔をされた。
「あなたが私をこの世界に引きずり戻してくれなかったら、ここまで研究を継続することはできなかったでしょう」
傘寿をすぎた眼福の先生の言葉は、私にとって過分なお褒めの言葉である。
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