権三(ごんざ)師匠の悩みごと
2月10日(水)
鬼河原亭権三(ごんざ)でございます。
いえね。うっかり「体調が悪い」なんて書いて、そのあとブログの更新もしないもんだから、ことによるとアイツ、死んだんじゃねえか、なんて言われましてね。
大丈夫、ホレ、この通り、ピンピンしてますぜ。
今日(2月10日)だってあーた、「先週行った県と同じ県」にある「新幹線の鈍行しかとまらない駅」の町まで、仕事で行ってきましたからね。この二つのヒントで、もうおわかりでしょ?えっ?わからねえって?わからねえヤツは置いてくぞ、ホントにもうしょうがねえなあ。
で、今週末のことなんですがね。何でも?埼玉で?サイクルエキスポ?なんてのがあるっていうじゃないですか。吹きだまり自転車部部長のアタシも誘われてるんですがねえ…。
この日はあいにく、うちのホームグランドの「寄席わかたけ」で、アタシの独演会があるんですよ。2時間、高座をつとめなきゃなんない。
で、古典をやろうか、新作をやろうか、と直前まで迷ってましてね。なかなかネタが決まらなかったんですが、一昨日あたりから、ヨシ!ここは思い切って新作をやろうじゃないかってんで、新作をこさえることにしたんですが、マアこれが大変で。
作り始めたのはいいが、迷走に次ぐ迷走で、「この噺、どうやって収束させたらいいんだ?」なんつって、わかんなくなっちゃった。
それにだいたいが凝り性だもんで、パワポなんかどんどんスライドを足しちゃったりなんかして、カオスになっちまったり。
独演会でパワポ?何だそりゃ?…まあいいか。
それに、寄席の支配人からは、印刷の都合があるから明日までに紙原稿を耳をそろえて出せ、なんつってね。
独演会で紙原稿?何だそりゃ?…まあいいか。
それに、「パワポの画面を印刷するなんて能がないぜ。パワポとは別にオリジナルの紙原稿を作んなきゃダメだぁ~」だなんてポリシーを自分に課しちまったもんだから、負担が2倍になって、よけいに自分の首を絞めちゃう。
ほかの噺家さんは、独演会の準備をどうやっているんだろうなあ。いまだにどうやったらいいのかわかんない。
はたして新作落語は独演会にかけられるのか?
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コメント
これはしたり。
ミスDJの音源を聞きまくりながら、80年代の軽ちゃー系女子大生文体の腕を上げている場合ではない。
あした順子と昭和こいるの漫才コンビ「順子・こいる」で、こいる師匠がちゃんと喋っているのを聞いたくらい、びっくりしたねえ。
まあ、こう見えてあたしなんぞも以前、席亭を務めたことがあるんですが、とある噺家さんなんか、バカみたいな枚数のスライドをぎっちり用意しちゃって、打ち出しの太鼓がなった後もペースを変えずにしゃべり続けていましたからね。
席亭としては、お客さんを次の番組に送り出さないと、あちらの師匠が文句を行ってきますから、もう肝の冷える思いでしたが、何事も、ほどほどがいいのではないんでしょうかねえ。
それからね、耳のきこえにくいお客さんのために、噺を書き取って見せるなんていうボランティアをやった時にね、いろんな大師匠たちの高座を、最前列の客席で観たこともあったんですが、
ある大師匠なんか、ただのパワポの印刷資料を配っていると見せかけて、実はネタの入ったパワポと、ネタを外したパワポの2パターンを作っている。
それで、ネタを外した方のパワポの資料を配って置いて、プロジェクタにかけるのはネタ満載のパワポですからね。
有名人とのツーショット写真とか、お客さんが居眠りしそうなところで目覚まし音を鳴らすように仕込んである。もおこうなったら、ちょっとした「パワポ芸」ですな。
別の大師匠なんか、パワポを使いながらホワイトボードにも書くんで、プロジェクタをいちいち消すのが面倒だから、画面が投影されたままスクリーンを上げて、ホワイトボードに書きこんだりして。
最終的にはパワポの映ったホワイトボードに字を書きこんじゃって、見づらいのなんの。
でも、これなんかちょっと工夫すれば、寄席芸として成り立つんじゃないですか。
たとえば、石碑の枠だけ映して、そこに文字をその場で書きこんでいくとかね。
いよっ、下町のプロジェクション・マッピング。アイデア料は後で現金書留で送ってもらえればいいから。
どうせやるなら、もう石工の扮装でキメて、寄席の壁一面に直接ノミで掘り込むくらいの勢いは必要だね。
で、「安心してください、彫ってませんよ」みたいな、裸マジック芸も披露して。
安心してください。サイクルエキスポも日曜までやってますから。高座がはねた後にどうぞ。
投稿: 席亭こぶぎ | 2016年2月11日 (木) 09時19分