映画脳をください!
3月23日(水)
最近、ことあるごとに妻から、
「録画した映画『クラウドアトラス』は見ないのか?」
と言われていた。
テレビで深夜に放送されていた映画「クラウドアトラス」(2012年公開)を見て、すっかりハマってしまったらしい。録画したものを何度も見返してるようだった。
で、私にも見るようにと、まるでサブリミナルなみに言ってくるのである。
挙げ句のはてには、
「映画のストーリーを知っている者からすると、逆にこれから見る人がうらやましい」
などと、品川庄司の品川が伊集院光に言って、伊集院をイライラさせたというセリフを私に浴びせる始末。何だよ「逆に」って!
妻が私に勧める映画のほとんどは、私に「映画脳」を試す映画なので、「映画脳」が全くない私にとっては、かなり屈辱的なのである。
ここでいう「映画脳」というのは、映画の場面や伏線の意味を、即座に理解する脳を持っていることを指す。
妻はその能力に長けていて、しかも何度も「クラウドアトラス」を見返しているので、監督の意図を完全に理解した、というのである。
それに「クラウドアトラス」は3時間くらいの長編映画である。これもまた、映画脳のない私にとってはかなりハードルが高い。
だが、意を決して見ることにした。決め手になったのは、私がイチオシのペ・ドゥナが重要な役で出演していると聞いたからである。
予想通り。たしかに映画脳が試される映画である。
というか、いままで見た映画の中で、一番映画脳が試される映画ではないだろうか?
横で一緒に見ている妻は、映画を見ている私のほうをチロチロとみながら、
「あ、いまの場面、わかってないなあ」
みたいな雰囲気を出してくる。
こうなると、まるで自分が試されているようである。
ただ私は、最初の10分で、「あ、これは三島由紀夫の『豊饒の海』みたいな話ね」と即座に理解したが、まあそんなことがわかったところで、映画脳とはまったく関係のない話である。
この映画、あまりの仕掛けの多さに、ほとんどの人が2回以上見て理解するらしいが、私は映画脳のない頭で見たため、脳がすっかり疲れてしまった。
妻は、私が当然理解するまで何度も見るつもりだろうと思っていたようだが、私がそれに難色を示したため、
「信じられへん。寅さんみたいな映画は3回も4回も見るのに」
と、完全にバカにした口調で私を詰るのであった。
ああ、誰か「映画脳」を僕にください!
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コメント
あ、斧を池に落としちゃった。
(ぶくぶく)
うああ、池から女神様が出てきた。
お前が落としたのは、金の斧か、それとも映画脳か?
え、映画脳です。
(ぶくぶく)
-----
40年後。
(ぶくぶく)
お前が行ったのは、カマクラか、ワラワラか?
ワ、ワラワラです。
(ぶくぶく)
-----
40年後。
(ぶくぶく)
お前のお土産は、キャラメルか、まんじゅうか?
ま、まんじゅう..
なぜ、クリームボックスを買わない?
あと、カニピラフ越しにフラミンゴとツーショット写真もマストだぞ。
(ぶくぶく)
ああ、神様、仏様、ソンミ様。
ま、そんな映画です。たぶん。
投稿: コメント脳こぶぎ | 2016年3月25日 (金) 09時16分
最近、ネタがないのでブログを書くのが辛くなっているんですが、ブログをやめちゃうとこぶぎさんのこういうコメントが読めなくなっちゃうんだよなあ、と思ってしまうので、惰性で続けているのでアリマス。
究極的には、本文記事でお題だけ出して、コメント欄でこぶぎさんがネタを書くってのが最終型かなあ。ラジオのハガキコーナーみたいに。
投稿: onigawaragonzou | 2016年3月26日 (土) 21時14分