気分はブラタモリ
3月5日(土)
今回出張で訪れる町には卒業生のSさんが住んでいたので、事前に連絡をとってみたところ、今日はSさんが車を出してくれることになった。同じく卒業生のWさんも、県南の町から駆けつけてくれるという。
やはり持つべきものは卒業生だな。
お昼前にSさん、Wさんと合流し、まずはお昼を食べることにする。Sさんおすすめのおそば屋さんである。
この「揚げそばもち」が絶品である!
ま、「揚げそばもち」というヒントだけでは、さすがのこぶぎさんでもこのそば屋さんを特定することは難しいだろうな。
午後、今回の旅の一番の目的である、イベント会場に向かう。
昨日お会いした方が、ここで講演をされるのだ。
1時間半にわたる講演は、よどみなく、知的刺激にあふれていて、実にわかりやすい内容だった。
本当のプロというのは、こういう方のことをいうのだろう。
講演が終了したあと、控え室に行ってお茶をいただきながらしばらく雑談をして、お別れした。
「今後ともよろしくお願いします」
「こちらこそ、今後ともよろしくお願いします」
講演会場を出たあと、Sさんの車で、市内をまわることにした。
最初は、町のなかにあるお寺である。
「このお寺には、母の知り合いの住職さんがいるんです。母によると、茶目っ気のある住職さんだそうです」とSさん。
突然お邪魔したにもかかわらず、丁寧にお寺の説明をしていただいた。確かに茶目っ気のある、人なつっこい住職さんである。
「まあまあお茶でも飲んでいってください」
奥の部屋に通されると、住職の奥さんが、お茶とお菓子を用意してくれた。
「突然お邪魔してしまってすみません」
「いえいえ、お寺というのは、突然お客さんが来るところなんですよ」
奥さんもまた、人なつっこい感じの方である。
「今のうちの市長はね、うちの宗派の僧侶なんです」
「そうですか」
「県内ではもう一人、うちの宗派の僧侶が市長になっています」
「すると二人ですね」
「ええ。うちの宗派は県内ではそれほど力があるわけではないのに、二人も市長を出しているんですよね」
小さな町では、住職が何かと頼りにされているからではないかと、私は想像した。
お話を聞いているうちに、水谷豊主演のドラマ「あんちゃん」を思い出した。
ある地方の町のお寺の住職が、町のさまざまな問題を解決すべく、奮闘する物語である。
このご夫婦を主役にしたら、きっとそんなドラマが作れるのかも知れない、と私は夢想した。
「今度はご開帳の時に来てください。東京オリンピックの年です」
「ありがとうございます。またうかがいます」
お寺を出たあと、次に向かったのは、あの散髪屋さんである。
なんと卒業生のSさんもこのブログを見て、お客としてこの店に一度来たことがあるという。
「どうしたんです?鬼瓦さん!」私がお店の扉を開けると、Gさんはビックリした顔で私たちを出迎えた。
「たまたま近くまで来たんでね、寄ってみたんです。お仕事中でしたか?」
「いえ、実は5時からのお客さんが急にキャンセルされましてね。時間が空いたところだったんです。ちょうどよかった。お茶でも飲んでいってくださいよ」
Gさんご夫妻と、コーヒーを飲みながら、しばらく歓談した。
「そうですか」多肉植物、というのを初めて聞いた。
よもやま話を小一時間ほどした。気がつくともう6時になろうとしていた。
「つい長居してしまいました」と私。
「いえ、楽しかったです。5時からのお客さんがキャンセルしてくれたおかげで、こうしてお話しができたんですから、お客さんに感謝しなくてはいけませんね」
「また来ますよ」
「お待ちしています」
Gさんとお別れし、Sさんの車に乗り込んで、「新幹線がとまる駅」に向かう。
「うかがった先でそのたびにお茶をいただくもんだから、すっかりお腹がタプタプだよ」
「そうですね」
「まるでブラタモリのような旅だね」
「ほんと、そうです」
ぶらりと訪れて、お茶とお菓子をごちそうになりながら、そこで出会った人とよもやま話をする。
こんな旅を、またしてみたいものだ。
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コメント
キョトン。
その町、スキー合宿に前泊して、行ったばかりなんですけど。
じゃ、暖かさで雪の重くならないうちに、一滑りしてきます。
投稿: 教頭こぶぎ | 2016年3月 6日 (日) 09時34分
こぶぎさん、正解です!
投稿: onigawaragonzou | 2016年3月 7日 (月) 00時29分