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「人あたり」の二日間

3月20日(日)

昨日に引き続き、「西田敏行の出身の町」で会合である。

この二日間は、「志が高く、行動力があり、めげない人たち」のお話しをたくさん聞いたので、「志が低く、行動力がなく、すぐに心が折れる私」は、「食あたり」ならぬ「人あたり」を起こしてしまった。まったく、自分が情けなくなるばかりである。

唯一の救いは、「前の勤務地」にいたときに一緒に活動してきた仲間たちが何人も来ていたことで、彼らと話すうちにずいぶんと心が解放された。

だが一方で、初対面の人とか、名前だけは前から知っているけれど会ったことのない人とかは、なんとなく恐れ多くて、ちゃんとした挨拶すらできなくなってしまうのである。

その中の一人、Nさんは、以前から名前だけは知っていたが、お会いしたことがなかった。ただ、実際に会ったことのある人から聞いた話だと、ずいぶんエネルギッシュな方だそうで、(やはりこういう活動をするには、エネルギッシュな人でないと続かないんだろうなあ)と、非力な自分を顧みては落ち込むばかりなのであった。

昨日の第1日目の会合で、Nさんが壇上でお話ししている姿を初めて見て、背が高くてスキンヘッドでヒゲをたくわえている姿が、ひどくコワモテなのである。

(たぶん俺より年上なんだろうなあ)

それだけですっかり物怖じしてしまった。

ところが、その日の懇親会の二次会で実際にお話しする機会があったのだが、なんとNさんは私よりもはるかに年下だったことがわかった。しかも、Nさんのはるか年上の大学の先輩と私とが昔からの知り合いだったことがわかったものだから、Nさんは私に恐縮するように丁寧な言葉を使った。

「僕、体育会系なんで、そういうことはきっちりとしないと…」とNさん。

お話ししたのはわずか5分程度だったが、見た目から私が勝手に連想した人物像とは裏腹に、実に礼儀正しい方だったことが判明したのである。

帰宅したら、Nさんから私宛てに、ご丁寧にメールが来ていた。

「2日間の会合では、大変お世話になりました。時間が限られていたため、お話しする時間が限られておりましたが、今後とも宜しくお願い致します」と、実に丁寧な挨拶が書かれていた。

たぶん私だけではなく、あの会合で会った人に一人一人、メールを出しているのだと思うが、その気配りこそが、人々に信頼されている理由なのだろうと、私は確信したのである。

私は、見た目で人を判断しようとしていた自分を、深く反省したのであった。

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