目撃情報
昨日、妻のもとに、知り合いの日本人からメールが送られてきた。
「今、中国の内陸の片田舎にいて、黄砂がひどくて、プロ仕様のゴーグルをつけて移動していて、大変な思いをしています。ところで、今回、移動のために貸し切っている車の運転手さんが、あなたを乗せたことがあると言っていました。世間って狭いですね」
さあ、妻には心当たりがない。
中国に、たまに行くことはあるのだが、そんな黄砂のひどい内陸の片田舎に行ったことなどないし、それに、一人で旅行したことはなく、たいていはグループで車に乗っているものである。その運転手さんが、何人かの中の一人である自分の名前を覚えているとは考えられない、というのである。
まことに不思議である。
そして今日は、こんなことがあった。
職場の上司が、私に言った。
「昨日、たまたま鬼瓦君のことが家で話題になってねえ」
「え?どうしてです?」
「息子から聞いた話なんだけど、うちの息子が韓国に行ったときに、…何て大学だったっけなあ、…どっかの大学の先生とお話をしていたら、その先生が、鬼瓦君と鬼瓦君の奥さんとは親しくて、家族ぐるみのつきあいをしてるって、言ってたんだって」
「はぁ?」
「そこで鬼瓦君の話題が出たんで、息子もビックリしたんだって」
…やはり心当たりがない。
そもそも、その上司の息子さんと私とは、専門分野が違うので、共通の知り合いがいるはずがない。だいたい私は、その上司の息子さんとは一度しか会ったことがないのだ。
そのていどのおつきあいなのに、どうして私の話題が出てくるのか???
それに何より問題なのは、私には「家族ぐるみでつきあいのある韓国の大学の先生」など、ひとりもいないのだ!
中国で妻を乗せたという運転手といい、韓国で私と家族ぐるみのつきあいだと主張する大学の先生といい、あまりにも不自然な目撃情報が多すぎやしないか?
二つの可能性が考えられる。
一つは、中国や韓国に、私や私の妻を騙る人物がいるという可能性である。だからこそ、頻繁に目撃情報があるのではないだろうか。
…だが、私たちを騙るメリットは、どこにもない。
もう一つは、(中国は置いといて)とくに韓国で、私たちが知らない間に超有名になっている、という可能性である。
意外と後者かも知れない。
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コメント
(某国の大財閥企業の朝礼にて)
では、若社長先生より、朝のご講話をお願いします。
(拍手)
おはよう。
今日は私が海外留学をしていた頃の話をしよう。
他国のマーケットを狙うなら、まずは言葉を覚えなくてはならない。そこで、死ぬ気で勉強した。
授業を休んだこともなければ、彼女とカップルTシャツを作るなどもってのほか、厳しい先生の愛のしごきにじっと耐えた。
私だけではない。同級生全員が、祖国と会社の将来を背負って、猛勉強していたのだ。
その同級生の中に、日本から来たおじさん学生がいた。
どこかの大学で先生をしているということだったが、これがものすごい汗かき症で、周囲は加湿器いらずとの評判だった。
かつて「農民と菜種油は絞れば絞るほど汗が出る」といった日本の偉人もいたそうだが、
この汗かき先生のエピソードは、それ以降、授業で必ず先生が話すようになったらしく、
その先生の名前は私のみならず、今や我が国の名だたる企業の若きリーダーとなっている当時の同級生や後輩の間でも、知らないものはいない。
今日も、どこかの会社の朝礼で、我が社と同様に、この話がなされていることだろう。
無論、私もその先生とは家族ぐるみで親しくさせて頂いていることは言うまでもない。
社員諸君、
この「汗かき先生(多汗老師)」の何万倍、いや何億倍の汗をかいて、我が社のために一日がんばってもらいたい。
(拍手)
その後、ウェブ漫画「多汗老師」がネット上にアップされるやいなや、カカオトークや「微博」(ウェイボー)で爆発的人気を博したとか、博さなかったとか。
投稿: あいさつこぶぎ | 2016年3月 9日 (水) 15時20分