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再会!冷泉為恭

4月13日(水)

この町での仕事が予定より早く終わったので、この町で行われている展覧会を見に行くことにした。

展示されていたのはむかしからよく知る作品だったが、あらためてじっくり見ると、すごく面白い!

映画がなかった時代の、映像的表現というべきか。とにかく飽きないのである。

「異時同図」という手法が、じつに見事に活かされている。

3部作構成になっているところも素晴らしい。

やや滑稽な話で始まる第1部、躍動的な第2部、そして感動の第3部。

今回じっくり見て初めて気がついたのだが。

第3部の「感動のラスト」のあとに、最後の最後にあらわれる「アレ」。

じつに心にくい演出ではないか!

ああいう演出は、現代の映像表現にも通ずる手法なのではないだろうか?

…そんなこんなで感心しながら見ていると、ある絵に目がとまった。

この作品を幕末に模写した絵が展示されていたのだが、その作者がなんと冷泉為恭だったのだ!

おおっ、ここで冷泉為恭に再会するとは!

以前、ある展覧会で出会って以来、およそ3年半ぶりの再会である。

そのときにも書いたことがあるが、冷泉為恭は、幕末に生きた京都の絵師である。御所に出仕している一方で、京都所司代にも通じていたことから、最後には攘夷派の長州藩に暗殺されてしまう。

昔のドラマ時代劇「新選組血風録」(NET、現テレビ朝日、1965年)に、「刺客」と題するエピソードがある。司馬遼太郎の原作にはないエピソードだから、たぶん、脚本家の結束信二が書いたオリジナル作品である。

このエピソードの主人公は、冷泉為恭である。彼は御所にも京都所司代にも通じ、幕末の政治的混乱を「食い物」にして生きている「唾棄すべき」人物として、描かれている。たぶん、冷泉為恭がこれほどクローズアップされるドラマは、後にも先にもこれだけだっただろう。私はこのエピソードが大好きだった。

そして驚いたことに、実はこの旅に出る直前に、ふと思い立ってこのエピソードを久しぶりにDVDで見返したばかりだったのである。

なんという偶然!

これは神のお告げか?

もし仮に、再び大学に入学して美術史を専攻することになったら、冷泉為恭を主題にして卒業論文を書け、ということなのか???

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