オシャレな町でレセプション
4月22日(金)
早めに職場を出て、都内に向かう。
夕方6時から、尊敬する先生の講演会が都内であり、それを聴きに行くためである。
今日の講演会が「基調講演」で、それをふまえた国際シンポジウムが、翌日の午前10時から都内の大学で行われる。つまり、かなり大きなイベントなのである。
20年ぶりくらいじゃないだろうか?山手線のこの駅に降りたのは。
ビックリするくらいオシャレな町である。
道行く人もみんなオシャレである。
駅から10分くらい歩いたところで、会場となる建物に着いた。
フランスの香りただよう建物である!
少し早く着いてしまい、講演会場で座っていると、講師の先生が会場にいらした。
「鬼瓦さん、来てくれたんですか!」
「ええ」
「鬼瓦さんが来てくれたなんて、うれしいなあ。このあと、レセプションに出てください」
「はあ」
講演会を聴いてそのまま帰るつもりだったのだが、まあ仕方がない。
2時間近くにわたる講演は相変わらず、聴衆の魂を揺さぶる「名人芸」だった。
「レセプション会場は7階です」
案内されるがままに、講演会場の1階からエレベーターで7階に上がった。
都内の夜景を見渡せる、じつにオシャレなレセプション会場である。
立食形式だが、フランスの香りただよう建物だけあって、並べてある料理もフランス料理のようである。
ビールとか焼酎とか、そういうのは置いてない。ワインとシャンパンだけである。
乾杯の音頭をとることもなく、司会がいるわけでもなく、自然とレセプションが始まった。
なるほど、これがフランス流か。
しかし困った。
レセプションに呼ばれたはいいが、参加している他の人を、誰ひとり知らないのである。
唯一知っている講師の先生は、他の人とひっきりなしに喋っているので、話しかけるわけにもいかない。
うーむ、困った。例のいたたまれない気持ちが始まったぞ。
1時間近く、手持ち無沙汰で過ごしたが、残りの30分くらいで、話し相手がようやくできた。
そうこうしているうちに、レセプションが終わった。
締めの挨拶とか、そういうのも一切ない。やはりこれもフランス流か。
結局、一番最後に出たのは、講師の先生と、その先生の下で学ぶ二人の方と、私の、計4人だった。
今日の講演会が上手くいったこともあり、先生はお酒をかなり飲んで、上機嫌だった。
「今日は鬼瓦さんに来てくれて、本当に嬉しいなあ」と、先生は繰り返した。
フランスの香りただよう建物を出て、山手線のオシャレな駅に向かう道すがら、先生は、
「まだ時間ありますか?久しぶりに鬼瓦さんとご一緒したので、もう1軒行きましょう」
とおっしゃった。
明日の朝10時から、先生は国際シンポジウムで司会をやるはずなのに、すでにかなりお酒を飲んでいらして大丈夫なのかなあと思ったが、久しぶりに先生にお会いしたこともあり、ここで断るわけにはいかなかった。
先生は、2次会でもビールをかなり飲みながら、上機嫌にさまざまな話をされた。
気がついたら11時半をまわっていた。
「明日またお会いしましょう」
山手線のオシャレな駅でお別れした。
「先生、いつになく上機嫌でしたね」と、先生のもとで学んでいる方が言った。
「そうなんですか?」と私。
「ええ。明日も早いのに、時間を忘れてお話になっていましたから」
さて、明日の10時までに、国際シンポジウム会場に着けるだろうか。
今日私が訪れた、そのオシャレな町の名は…。
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コメント
みーやーこーのー なーんせーい
ビールの とーなりー
投稿: 歌うこぶぎ | 2016年4月23日 (土) 02時13分
こぶぎさん、大正解!
なんと、翌日の国際シンポジウムの会場の場所まで当てちゃった!
投稿: onigawaragonzou | 2016年4月23日 (土) 07時57分