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まどろっこしい話

仕事上のメールの返事を書くだけで1日が終わることがある。

それどころか、忙しくてメールの返事が書けないまま1日が終わることもある。

だが一方で、私も含めて人間というものは返信をいち早く受け取ることを求めたがる。

まったく何のために生きているのか?最近はさしずめ、メールを書くために生きているようなものである。

仕事のメールというのが苦手である。

たとえば、そうねえ、編集者の場合。編集者から次のようなメールが来たとする。

「近いうちに打ち合わせをしたいと思います。16日と18日と23日のうち、ご都合のよい日を教えてください」

で、私が返信する。

「18日の夕方6時から都内の○○駅付近で用事がありますので、それ以前の時間であれば都内で打ち合わせが可能です」

するとまた返信が来た。

「では、18日の午後4時半から○○駅付近で打ち合わせをしたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。お返事お待ちしております」

「お返事お待ちしております」といわれたら、お返事しなければならない。

「4時半からということで承知しました」

と返信すると、しばらくしてまたメールが来る。

「4時半から○○駅近くの○○ビルの1階ラウンジで打ち合わせをしたいと思いますが、それでよろしいでしょうか。お返事お待ちしております」

「お返事お待ちしております」といわれたら、お返事しなければならない。

それでよろしいでしょうかもなにも、編集者がそう決めたんだったら、それにしたがうまでである。

「4時半から○○ビルの1階ラウンジで打ち合わせということで承知しました」

と返信することになるのだが、ここまでのやりとりがまどろっこしくて仕方がない。

わかるかなあ、この感覚。

同じ頃、別の人から仕事のメールが来た。

「2日か6日か11日ならばそちらにうかがえるのですが、ご都合のよい日程を教えてください」

私が、

「11日の午前ならば職場におりますので大丈夫です」

と答えると、

「11日の午前ということで承知しました。11日の何時頃にうかがえばよろしいでしょうか。ご指示ください」

と返信が来た。「ご指示ください」といわれれば、指示しなければならない。

「10時半ということでお願いします」

と返信すると、

「承知しました。10時半にうかがうということでよろしいでしょうか。お返事お待ちしております」

「お返事お待ちしております」といわれれば、お返事しなければならない。

「10時半ということで大丈夫です」

…とまあ、こんなやりとりが延々と続くのである。

たぶん私も、同じようにまどろっこしいメールを出しているんだろうなあと反省する。

こんなとき私が思い出すのは、次のふたつのセリフである。

ひとつは、「刑事コロンボ」の「権力の墓穴」というエピソードで、犯人である警察署次長が言うセリフ。

「君はねえ、君と僕の時間を浪費しているんだ!」

もうひとつは、三谷幸喜脚本、中原俊監督の映画「12人の優しい日本人」のなかで、ある陪審員が言うセリフ。

「僕には考えなければならないことが山ほどあるんだ!」

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