現代版「神々の乱心」
いま、いちばん売れている新書。
現政権の背後に潜む、極右系政治団体。
マスコミがこれまでほとんど触れなかったこの団体に対し、著者はわずかな手がかりをもとに、その実態を明らかにしていく。
行き着いたのは、ある新興宗教の存在である。
つまり、ある新興宗教の洗礼を受けた者たちが、政権の内部に食い込んでいく。
これはまるで、松本清張の未完の絶筆『神々の乱心』を思わせる。
『神々の乱心』は、大正末期から昭和初期にかけて、宮中と政権に入りこもうとする新興宗教団体の陰謀を描く歴史ミステリーである。
この新書で語られていることは、まさに『神々の乱心』を地で行く展開である。
つくづく、松本清張の慧眼には目を見張らざるを得ない。
この新書を読んだ人には、『神々の乱心』も合わせて読むことをおすすめする。
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