上製本、糸かがり綴じ
6月13日(月)
2年ほど前に急死した大学時代の友人・E君の遺稿集が完成し、彼の御母様から送られてきた。
彼の卒業論文を大学から取り寄せたのが昨年の3月頃であったから、遺稿集の完成までにほぼ1年を費やした。
手書きの卒業論文を、彼の御母様と御兄様がワープロソフトに入力し、プリントアウトしたものを、私が校正した。
校正を3回おこなった。卒業論文は専門用語が数多く使われていたこともあり、校正にはことさら注意を要した。
校正の過程で、彼独特の書き癖のようなことにも気づいた。
お恥ずかしいことだが、大親友のIさん、同い年の従兄弟のUさんに混じって、巻末に追想記を書かせてもらった。
彼を偲ぶ写真が13枚、最後の2頁に並べられていた。その中に2枚、私も一緒に写っている写真があった。大学時代に友だち数人で旅行に行ったときの写真である。その頃の私は、ガリガリに痩せていた。
「卒業論文をわざわざ製本するなんて、恥ずかしいからやめてほしい」と、彼なら言うだろう。彼の性格ならば、きっとそうだ。
恥ずかしいからという理由で当時ほとんど誰にも見せなかった卒論を、こうして冊子にすることは、彼の本意ではなかったかもしれない。ただ、残された御家族にとっては、彼を偲ぶよすがである。
大学を卒業して20年以上がたち、その間、わずか数回しか会わなかったことが、いまでも悔やまれてならない。
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