ラジオだったんですけど
土曜日のTBSラジオ、久米宏がパーソナリティーをつとめる「久米宏 ラジオなんですけど」の冒頭の12分間は、久米宏のフリートークである。
アシスタントのTBSアナウンサー・堀井美香を相手に、のびのびとフリートークを展開する。この、堀井美香アナの「受け」は絶品で、いまやラジオには欠かせない存在である。
久米宏のフリートークは、あっちこっちと話が飛びながら、12分後には一つのところに収束する。
聞いている方は、久米宏の繰り出すさまざまな話題に翻弄されながら、最後に溜飲が下がる思いをする。
いっぺん、そんな感じで話をしてみたいと思い、先日、都内某所で80名ほどの前で喋ったとき、ちょっとだけ久米宏の話芸を真似た話し方をしてみた。
もちろん、私自身が勝手にそう思っているだけで、実際には似ても似つかない、ひどい話し方だったんだと思う。
しかし、自分が久米宏を真似た喋り方をした(と自分が思っている)部分だけ、会場の反応がすこぶるよかったのである。ま、これも思い込みかも知れないが。
それからというもの、話芸を勉強するために、ポッドキャストで公開されている久米宏の冒頭12分間のフリートークを注意して聴くようになったのだが、久米宏のフリートークについて、ある仮説が浮かんできた。
それは、久米宏のフリートークが永六輔の話芸にかなり色濃く影響されているのではないかという仮説である。
久米宏と堀井美香の関係は、「永六輔の誰かとどこかで」でいうところの永六輔と遠藤泰子の関係になぞらえることができる。
「永六輔の誰かとどこかで」もまた、短い放送時間の中で、「受け」の名人である遠藤泰子を相手に、永六輔がのびのびとしたフリートークをしていた。
考えてみれば不思議なことではない。
久米宏は、「永六輔の土曜ワイドラジオTOKYO」の街頭インタビューでラジオデビューし、その後、自らも「久米宏の土曜ワイドラジオTOKYO」のパーソナリティーを7年担当した。久米宏の話芸は、永六輔の話芸の影響を受けなかったはずはないのである。
永さんが逝ってしまっても、久米さんがいるではないか!
熱心なリスナーではありませんでしたが、永さんのご冥福をお祈りします。
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コメント
能天気なコメントを書こうとしていたが、それどころではない。
今日はこれから仕事があるのだが、ずっと、かの国のクーデターのニュースを見ている。
さっきまで「評議会」のコメントを読まされていた金髪の美人アナウンサーが、今度は、国営放送局を奪還した群集で溢れかえるニューススタジオから生中継を始めた。
アメリカのテレビ局がその様子をずっと中継している。
遠くの国で、放送人たちが職分を賭けて、自らの国の行方を伝えている。
なぜ、日本のテレビは中継しないのだろう。
おりしもこの時間は、Aさんのラジオの生放送の時間だった。
Aさんだったら、何を伝えたのだろう。
投稿: 生放送こぶぎ | 2016年7月16日 (土) 09時47分