本題と脱線
7月8日(金)
出張2日目の午後、小さな会合で1時間ほど喋ることになっていた。
前日、初めてお会いした気むずかしそうな大御所の先生から、
「おもしろくないとあかんで」
といわれ、すっかりビビってしまった。その先生も、その小さな会合に参加されるために、前日からわざわざこの町までやってこられたのであった。
せっかくはるばるやって来て、つまらない話を聞かされてはかなわないと思われたのだろう。
しかも、話すのはどこの馬の骨かわからぬ奴(つまり私)である。
私が用意した話は、パワポのスライド100枚。そのほとんどが、本題とは直接関わりのない内容だった。
準備している段階で、どう頑張っても本題がおもしろくならないことに気づき、脱線の話をメインにして、最後に本題を申しわけ程度に付け足そうと考えた。
これまでいろいろな人たちの前で喋ってきた経験上、「話は本題よりも脱線のほうがおもしろい」ということを、漠然と体得していた。
当日、その小さな会合で、怒られるのを覚悟で脱線メインの話をした。最後の5分くらいで、本題の話をした。
会合が無事に終わり、主催者は眉をひそめていたが、その大御所の先生は去り際に、
「おもしろかったでぇ。本題のほうはアカンかったけどなぁ。本題に入る前の話がおもしろかった」
と笑顔で声をかけてくださった。
しかし裏を返せばこれは、本題が全然ダメだ、とボロクソに言われたということでもある。
喜んでいいことなのか、猛省すべきことなのか…。
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