知らない間に変わる
7月9日(土)
世の中は、知らない間に変わってしまうものらしい。
いつのまにか8月11日が「山の日」ということで祝日になっている。
「海の日」だって、いつの間にか祝日になっていた。
前に書いたように、首都高速の普通車の料金が、この4月に950円から1300円に値上がりしていたことを、知らなかった。常識ではあり得ないほどの値上がりの仕方で、ふつうだったら大反対運動が起きてもおかしくないはずなのだが、知らない間に値上げが粛々とおこなわれ、徴収する側もさほど後ろめたさを感じていない。
ところである雑誌で、高速道路会社の社長が、少しも悪びれた様子もなく、次のように語っているのを読んだ。私は頭が悪いので、ここで述べられている「からくり」が何を意味しているのか、まったく理解できない。
「2005年の民営化により、道路関係四公団は、6つの高速道路株式会社と、独立行政法人の機構(日本高速道路保有・債務返済機構)になりました。
機構は全ての道路資産と債務を保有し、高速道路会社に貸付けます。会社は道路を管理し、利用者から徴収した料金で機構に貸付料を支払います。機構はそれをもとに債務を返済します。新規に高速道路を造る際は、会社が資金を集めて工事を行い、完成後、負債とともに機構に渡します。
こうして45年以内(2050年までに)に償還が終わり、高速道路は無料になる予定でしたがその後、高速道路の老朽化が判明し、大規模改修工事の必要が生じました。2014年、改修資金の確保のために、高速道路の有料期間が15年延長(2065年まで)されました。
なお、通行料金に利潤は含まれておらず、会社はサービスエリア事業などで利潤を追求しています。」
わからないのは、借金を2050年までに完済すると約束していたものを、事情が変わったので2065年まで15年延期すると、悪びれる様子もなく語っていることである。
「おい、借金返せよ」
「事情が変わったんだ。あと15年待ってくれ」
といわれたら、ふつうだったら「ふざけるな!」となるだろう。
しかしここではそうはならないらしい。まことに不可思議である。
そもそも、このようなことを平然と語ることに、私たちは驚かないのだろうか。
知らない間に世の中が変わってしまうことに馴らされてしまっていることこそが、私たちにとって命取りになることを、肝に銘じなければならない。
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