刀剣男子
7月14日(木)
取材で都内某所を訪れる。初めての訪問である。
初対面の方々に、2時間ほどお話をうかがう。
この方面にまったく知識がなかったので、「すぐは」と「ちょうじば」という言葉を初めて知った。
「ちょうじばのほうが見た目が華やかですからね。どちらかというとちょうじばを作る刀匠さんが多いです」
「でも今年の大賞は、すぐはですね」
「そうですね。この刀匠さんは、もっぱらちょうじばを作っていたのですけれど、思い切ってすぐはに作風を変えたところ、大賞を取ったというわけです」
「こうしてみると、ちょうじばは確かに見た目が華やかですが、すぐははクール、といった感じですね」
「そうですね」
「刀匠さんは全国にかなりいるのですか」
「ええ。ただ、それだけで食べていくのはなかなか難しいようです。どうしてもコレクターの方は、現代のものよりも古いものを好みますからね。それに、いまは1年に24本というふうに製作本数が決められているんですよ」
「そうなんですか?」
「ええ。だいたい2週間で1本という計算です」
「しかし、刀身だけが鑑賞の対象になるというのは、実におもしろい」
「世界的にも珍しいようです」
「刃を下に向けて展示しているものと、上に向けて展示しているものがありますね」
「ああ、これは太刀と刀の違いです。太刀は刃を下に向けて携帯し、刀は刃を上に向けて携帯するでしょう。展示するときも、それを意識しているのです」
「なるほど」
そんな基本的なことも私は知らなかった。
「刀身彫というのもあるんですよ」
「やや、これはすばらしい。実に見事ですね」
「当然、これを専門にしている職人さんがいるわけですが、刀身彫は、それだけが目立ってはいけないように配慮されているんだそうです。あくまで主役は刀身ですからね」
「なるほど、目立ちすぎないようにして、それでいて最高の技術を提供するんですね」
刀身だけがこれだけ並んだところを見るのは初めてである。自分一人だけで見ていたら、何が何だかわからなかっただろうが、解説を聞きながら見たおかげで、鑑賞の仕方が少しだけわかった。
実に奥深い世界だ。ちょっとハマりそうだ。
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コメント
何代かの前の某学科助手が、(刀だけに)筋金入りの刀剣女子でありまして、
「たちははくもの」などと、当方、刀剣鑑賞については、彼女から厳しく仕込まれております。
ちなみに好きな刃紋は、ちょうじみだれににえよくつく、です。
あと、なかごに穴がたくさんあるほど、柄を取り変えて多くの持ち主の手を渡り歩いた刀なので、ロマンを感じます。
投稿: ぐのめこぶぎ | 2016年7月15日 (金) 06時57分