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まぼろしの「バラエティー番組出演」

7月19日(火)

私にテレビ局の取材の申し込みが来ていると、うちの広報担当から連絡があった。

なんでも、「いまテレビで大人気の博識の先生をギャフンと言わせるような、驚くべき雑学を披露する」番組の担当者からだという。

「場合によっては先生に取材や、番組での出演もお願いできないかと検討されているそうです」

えええぇぇぇっ!!

いきなりバラエティー番組出演???

広報担当から聞いた番組担当者らしき人と連絡をとったところ、

「お電話して大丈夫な時間はいつごろでしょう」

と聞くので、

「明日の4時以降なら大丈夫です」

と答えた。

翌日、5時頃にその番組担当者らしき人から電話があり、

「6時頃、お電話しても大丈夫でしょうか?」

という。

「大丈夫ですよ」

と答えると、

「ではその時間に、うちの○○という者が、いろいろと質問をさせていただきますので、よろしくお願いいたします」

といって電話が切れた。

よくわからないが、電話でアポを取った人がADで、実際に質問をするその○○という人がディレクターなのだろうか。ま、どうでもいいことだが。

企画書がメールで送られてきたのでみてみると、「豊富な知識と巧みな話術で今、最も有名な先生。そんな先生に視聴者から寄せられた世にあふれる様々な雑学を知っているかどうか勝負をする知的バラエティーです」

と書いてあった。うーむ。そんな勝負に、私が勝てるはずがない。

6時に電話が来て、いろいろと質問されたので、自分がわかることをお話しした。

だが、先方の知りたいこととはどうも違うという雰囲気が、話していて感じられた。

こちらが話しているうちに、先方の興味も次第に薄らいでいくような印象を受けた。

「…では、社内に持ち帰りまして、企画として成立するか検討してみたいと思います」

といって電話が切れた。

先方の思惑とは違った内容だったのだろう。

ということで、バラエティー番組出演はまぼろしとなったのである。たぶん。

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