気分は鶴瓶師匠
8月5日(金)
A市から、隣県のS市に移動する。
冷房なんぞなかった時代から建っている建物の一角の、窓のない小部屋で一日中仕事をしたが、今年最高の暑さを記録したとかで、たちまち汗びっしょりになる。
どうしていつも、こういう時期にこういう仕事をするのか。
一緒に仕事をしていた市の職員さんが言った。
「先生の教え子さんに、うちの市役所の職員になった人がいるでしょう」
「Aさんですね」
「はい。Aさんに、先生が今日来るという話をしたら、ここに来たいけれど勤務時間なので行けないと残念がっていました」
「いまはAさんはどこにいるんです?」
「市民生活課です」
「じゃあ、行ってみましょう」
ということで、仕事の合間に車に乗せてもらって、市役所まで連れて行っていただいた。
市役所の市民生活課に行くと、窓口に卒業生のAさんがいた。
Aさんは私を見た瞬間、ハッと表情が変わって、
「わざわざ来ていただいたんですか!」
とひどくビックリした様子だった。まさか本当に来るとは思わなかったのだろう。
ほんの数十秒の再会だったが、突然訪問するところなんぞは、ちょっと鶴瓶師匠的な感じで、なかなか楽しかった。
再会は、これだけにとどまらない。
数日前のことである。
10年ほど前に卒業したH君から、
「8月5日に東京に研修に来ることになっていて、先生とお会いしたいんですけど、ご都合はいかがですか」
と、実に久しぶりに携帯メールが来た。H君はいま、東北地方のある県で高校の教師をしている。
「この日は出張だが、新幹線で夜に東京に戻るので、夜遅くに東京駅付近で少しの時間ならば大丈夫です」
と返事をすると、
「それでも大丈夫です。少しの時間でも先生にお会いしたいので、東京駅でお待ちしています」
と言う。
かなり疲労していたが、そこまで言われては会わないわけにはいかない。
新幹線で東京駅に戻り、改札でH君と再会し、短い時間だったが、東京駅の近くの店で、少しばかりお話をした。
「インターネットで調べて知ったんですけど、先生、職場変わったんですね」
「知らなかったのか?」
「最後にお会いしたのが、5年前のSさんの結婚式のときですから」
「そうか」
高校の教師として試行錯誤の毎日だそうだが、私と話をして、少しばかり霧が晴れたようだった。
「今日はお会いできて本当によかったです」
「圧倒的に時間が足りなかったな」
「先生もお元気で」
「また連絡をくれよ」
ほんの数十秒でも、ほんの1時間でも、再会とは嬉しいものである。
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