豚の頭はどこへ行った?
こぶぎさん、たぶん不正解。
私が滞在している町は、2カ月ほど前、「本の村」と称する巨大古本カフェができた町です。あと、地潜蛙(じむぐりがえる)」が有名な町です。
それはともかく。
10月19日(水)
職人さん二人は、朝から休むことなく、一心不乱に作業をしている。
作業場は現場事務所の一室を借りていて、現場事務所には何人かの職員さんや作業員さんがいる。
夕方頃、職員さんが作業場にやって来た。
「チキン、食べませんか?」
「チキン、ですか?」
隣の部屋が事務室である。私と職人さん二人が事務室に行くと、すでに机の上にチキンや飲み物が並べられていた。
「さあ、どうぞ」
まさか毎日チキンパーティーをやっているわけではあるまい。
「いったいどうしたんです?」
Dさんに聞くと、Dさんは答えた。
「今日は地鎮祭だったんです」
「地鎮祭?」
「土地の神様に捧げ物をするんです」
地鎮祭ならば、日本でもやっている。
「で、地鎮祭が終わったあとは、こうしてみんなで集まってチキンを食べたり飲み物を飲んだりするんです」
つまりは打ち上げである。
「そうですか…。このチキンが、お供え物だったんですか?」
「まさか、違います。豚の頭です」
「豚の頭…」
そういえば以前に聞いたことがある。祭祀をするときには、豚の頭をお供えするのだ。
「豚の頭をお供えしたときに、関係者が豚の口のところにお金を挟むんです」
お賽銭のようなものだろうか。
「それを集めて、打ち上げの費用にするんです」
「なるほど」
これは韓国でふつうにおこなわれていることらしい。お供えしたお金を集めて打ち上げに使うというのは、いかにも韓国らしいやり方である。
「日本ではやっていますか?」
「地鎮祭はやっていますが、たぶんここまではやっていないと思います」
いままで豚の頭をお供えした地鎮祭など、見たことがなかった。地鎮祭のあとに打ち上げをする風習があるというのも、日本では聞いたことがない。
一つ疑問がわいてきたので聞いてみた。
「…で、豚の頭は今どこにあるんです?」
ひょっとしたら、豚の頭をレンタルして、用が済んだら返すのかと思ったのである。
「もちろん調理して食べますよ」
「食べるんですか?」
「ええ。美味しいですから」
しかし、待てど暮らせど、豚の頭は出てこなかった。
豚の頭は、いったいどこへ行ったのか?
いったいどのタイミングで食べるのか?
どうせ食べるんだったら、打ち上げのときに食べればいいものを、なぜわざわざチキンを宅配して食べるのだろう?
このあたりもまた、いかにも韓国らしい。
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コメント
雪岳湯、アリア、ACE、テジモリピョニュク。
ICから遠い方の邑だったとは。
投稿: 雪辱こぶぎ | 2016年10月20日 (木) 02時11分