指揮をするように鍋をかき混ぜる
こぶぎさん、大正解です!
さて、第2問です!
10月17日(月)
この町での1日目の仕事が無事終了した。
「夕食に行きましょう」
この町でお世話になっているDさんに連れて行ってもらったのは、作業場から車で5,6分ほど行ったところにある、豆腐料理の店だった。
1月に来たときにも一度訪れたことがあることを、この店の主人の顔を見て思い出した。
この店の豆腐料理は、伝統とオリジナルが同居したフュージョン料理というべきもので、しかも化学調味料など一切使っていない、ヘルシーで上品な味だった。
このお店の主人も、白髪の老紳士といった上品な出で立ちである。髪型がどことなく、お茶の水博士にも似ている。
豆腐料理屋を運んでくるさまがじつに上品なので、老紳士が豆腐料理を運んでくるたびに私は姿勢を正して、料理がテーブルに置かれるのを待っているのだった。
最後に豆腐の鍋が出てきた。
老紳士はじっと鍋を見つめながら、ゆっくりゆっくりとおたまでかき混ぜて、しばらくしてから、
「もう食べていいでしょう」
と言って、去って行った。
そのかき混ぜ方がじつに絵になっていたので、私は思わずDさんに言った。
「あの店長さん、まるで芸術家みたいですね」
「芸術家ですよ」
「え?」私は驚いた。「本当ですか?」
「本当です。あの方は、指揮者をやっておられます」
なんと!本業は指揮者だというのだ。
いや、本業は豆腐料理屋の主人で、副業が指揮者なのか?
そんなことはどうでもよい。いずれにしても指揮者兼豆腐料理屋の主人なのである。
会計を済ませようとレジに行くと、レジのところに、店の主人が指揮者をしている写真が飾ってあった。
会計を済ませたあと、少しばかりお話を聞いたところ、
「市街地に行けば、魚料理の店だとか、いろいろとあるけれど、この町の本当の名物料理を食べさせる店は少ない。だから町の外れのこの店に、わざわざ食べに来る客が多いのだ」
と誇らしげにおっしゃっていた。
「とても美味しかったです」というと、
「それはそうだろう。うちの妻は料理研究家だからな」
と、やはり誇らしげにおっしゃった。
誇り高く、そしてこだわりを持っていれば、どこにいようとも人は集まってくるのだ。
たとえそれが、片田舎の小さな豆腐料理屋さんであろうとも。
さて、その豆腐料理屋というのは…。
| 固定リンク
コメント
地元にカフェができた。
充実したモーニングが売り物で、山小屋風の外観が特徴的な、あのチェーン店である。
吹きだまりオフ会で、鬼瓦さんも行ったことがある。
ところが、行ってみると何か違う。
なにしろ、店のトレードマークからして、亀の甲羅から湯気が3本立っている絵なのだ。
おやおや、○メダ珈琲と思っていたら、△メダ珈琲って看板に書いてあるじゃないか。
ここで問題。
鬼瓦さんの行った店は、どうふうカフェでしょうか?
投稿: カフェ違いこぶぎ | 2016年10月18日 (火) 16時26分