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ちぐはぐな日・市立図書館編

1月15日(日)

今日中に仕上げなければ原稿がある。400字詰め原稿用紙で6枚程度。枚数は短いが、かなりいろいろ調べなければならない。

今週は忙しくて、昨日(14日)も都内で会合があり、会合の後も「眼福の先生とその仲間たち」と夕食をご一緒したため、ほぼ1日つぶれてしまった。

残りは今日1日となった。

午前中はぐったりして何もできず、ようやくやる気が出たのが、午後2時過ぎである。

家にいても原稿が書けないから、市内にある市立図書館で原稿を書こうと思い立つ。

考えてみれば、この町に引っ越してから、まだ市立図書館に行ったことがない。

自転車で行ける距離にあるのだが、原稿を書くための資料、それにノートパソコンなど、持っていくものがやたら多い。それに、ついでに夕食の買い物も頼まれたこともあり、車で行くことにした。

午後3時近くになり、ようやく出発。

市立図書館は、この町の大型商業施設に隣接したところにある。

で、週末になると、この町の大型商業施設付近は、大渋滞になるのだ。

本日もご多分に漏れず、大渋滞だった。

〈うーむ。やっぱり自転車で行けばよかったかな?)

30分近くかかって、ようやく市立図書館の地下駐車場に着いた。

1階に上がり、まず「レファレンス」というところに行く。

「あのう…。社会人席を利用したいんですが」

「カードをお願いします」

「いえ、作っていないんですけど」

「ではカードをお作りください。6番のカウンターで受け付けております」

「6番ですか」

6番カウンターにはすでに人が並んでいて、しばらく並んで自分の番が来た。

「あのう…。この町に住んでいる者ですが、図書館がはじめてなもので、カードを作りたいのですが」

「ではこの申請書に必要事項をお書きください」

必要事項を書いて、免許証とともに提出した。

係の人が、パソコンを使って登録をはじめた。

「あれ?お客様、、以前にこの図書館のカードを作りませんでしたか?」

「そういえば、20年近く前にこの町に1年間だけ住んだことがあって、たしかそのときに作ったと思います」私は思い出した。

「いま、そのカードはお持ちですか?」

「いえ、もうこの町に住むことは一生あるまいと思って、捨ててしまいました」なにしろ20年近く前の話である。

「そうですか…。では、再発行という手続きを取りますので、カードは即日発行できません」

「ええぇぇ???そうなんですか。20年近く前ですよ。新規発行というわけにはいかないんですか?」

「そうはいきません」

なんとも杓子定規な話である。新規発行であれば、カードは即日発行されるのに、再発行だと数日間かかるというのである。ということは、後日カードを取りに来なければいけないではないか!メンドクサイ。

「では、今日は図書館を利用できないということですか?」

「いえ、この引取証をお持ちになれば利用できます」

そういって、紙の引取証を渡された。

この紙を持って、ふたたび「レファレンス」というところに行く。

「あのう…。社会人席を利用したいんですけど、席はあいていますか?」

「あいておりますよ」

「社会人席利用カード」を受け取って、社会人席に向かう。

行ってみて驚いた。パソコンを使っている人が誰もいない。

もしやと思い、「レファレンス」に戻って聞いてみた。

「あのう…。社会人席でパソコンは使ってはいけないのですか?」

「使用してはいけません」

やはりそうか。キーボードをたたく音がうるさいから、パソコン禁止なんだな。

「ビジネス席ならば大丈夫です」

「ビジネス席というのがあるんですか?ではそちらを利用します」

「わかりました。ただあいにく、いま満席でして、お待ちいただくことになります」

「どのくらい待ちますか?」

「時間制限がありませんので、なんとも言えません」

この時点で、もう4時近くである。閉館時間は6時。さあ、どうする。

「では、待ちます」

「では、あちらに座ってお待ちください」

うながされた方向を見ると、「ビジネス席を待つ人」用のパイプ椅子が3つほど並んでいて、そのうちの2つの椅子に人が座っている。

ということは、私の前に2人がビジネス席のために待っているということだな。いったいいつになったら席があくのだろう?

3番目の椅子に座って待っていると、ほどなくしてビジネス席が2つあいたようで、前に座っていた二人がビジネス席に入っていった。

(いよいよ次か…)

ところが待てど暮らせど、呼ばれないのだ。

かれこれ1時間近くたってしまった。ひょっとして、このまま待ち続けて閉館時間を迎えてしまうのではないだろうか?

5時近くになり、ようやく、

「ビジネス席があきました」

といわれ、ビジネス席に座ることができたのであった。

結局、たった1時間しか、原稿を書く時間がないまま、閉館時間を迎えた。

閉館時間になり、図書館を出て、地下駐車場から車を出し、帰ることにする。

出口の料金精算所は1カ所しかなく、自動精算になっていて、無人である。精算すると、前にあるバーが上がる仕組みになっている。

駐車券を機械に入れると、これまた機械の声で、

「駐車料金は、300円です」

と言った。

財布を見ると、小銭が200円しかない。

あとは1万円札だけである。

機械の声が続けた。

「5千円札、1万円札は使用できません」

ええええぇぇぇぇっ!!!???

さあ困った。駐車料金が支払えないのである!

どうしてこういうときに限って、小銭が200円しかないのか???

いったん、車をバックさせて駐車スペースに車を置いて、どこかで両替しなくてはならない。

だが後ろを振り向いてビックリした。

私の車の後ろには、20台くらいの車が連なっているのである!

それもそのはずである。図書館が閉館時間になったんだもの。みんながいっせいに帰る時間なのだ。

〈後ろの車にすげえ迷惑をかけている…)

前に進むことも、後ろにバックすることもできず、しばし呆然とする。

(いったん冷静になって考えよう…)

機械に「呼び出し」というボタンがあることに気づき、それを押すと、警備員さんみたいな人が来た。

「どうしました?」

「1万円札しかなくて、駐車料金が払えないのです」

「では、1階の受付に行って両替をしてください」

そう言うと、警備員さんはうまく車を誘導してくれて、脇のスペースに車を待避することができた。、

私の後に連なっていた20台ほどの車は、待ちかねたように次々と素早く精算を済ませ、地下駐車場を出て行った。

たぶん、みんなイライラしていたのだろう。ゴメンナサイ。

私はふたたび図書館の1階の受付に行き、1万円札を両替してもらい、無事に地下駐車場を出ることができたのであった。

〈さんざんな1日だったなあ…)。

年に何度かある、「ちぐはぐな日」でありました。

長々とすみません。

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