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東京駅彷徨

1月27日(金)

午前10時半過ぎ。東京駅の構内。新幹線の出発までまだ時間がある。

新幹線の改札口付近でうろうろしていると、改札口の横にある、新幹線の空席状況を知らせる電光掲示板の前で、アラサーの社会人女子っぽい二人がなにやら話している。

見た目は二人ともごく普通のアラサー女子で、手にはハンドバッグと、中におそらく駅弁が入っているであろうビニール袋をぶら下げている。ずいぶん軽装である。

「あったあった、新大阪行きだ。やっぱりここだここだ」

二人のうちの一人が、電光掲示板を確認して言うと、今度は新幹線改札口の方へ歩いた。

立ち止まって二人が言う。

「改札があるね…」

「どうやって入るんだろう…」

この会話を聞いて、私に一つの疑念が生まれた。

この二人は、新幹線の乗り方を知らないのではないだろうか?

二人はしばらく、新幹線改札口を観察している。他のお客さんがどうやって改札に入っているかを見ているようである。

「パスモで入れるのかなあ…」

「入れるかもよ」

ええええぇぇぇっ!!!

ひょっとしてこの二人、特急券を買わなければならないことを、知らないのか?乗車券も、おそらくパスモでは入れないと思うぞ!百歩譲ってSuicaだとしても、「モバイルSuica特急券」を購入しておかないと中に入れないぞ!しかもJR東日本の新幹線だけだけどね!

これが、新幹線のない時代から生きているお年寄りとか、日本に初めて来た海外からの観光客とかだったらまだわかる。だが二人は、決してそんな感じではないのだ。どこにでもいそうな、普通のOLさん(死語)なのである!

「駅員さんに聞いてみよう」

二人はうろうろと駅員さんを探して彷徨う。私も思わず後をついていった。

駅員さんを見つけた二人は、なにやら質問している。離れているので声は聞き取れない。

だがその様子から、

「新幹線に乗るには乗車券と特急券が必要です」

「どうやって買えばいいんですか?」

「あちらにあります切符売り場か、もしくはそちらにあります自動券売機をご利用ください」

みたいな会話が交わされたのだろう。

二人はふたたび彷徨いはじめた。

まず向かったのは、切符売り場である。

だが長蛇の列だった。

「すごい並んでるねえ…」

「自動券売機のほう、行ってみようか」

今度は自動券売機の方に歩いていった。こちらの方は空いている。

二人は自動券売機で新幹線の切符を買うことを試みる。

(おいおい、自動券売機で切符を買う方が難易度が高いぞ!)

私は心配になった。

案の定である。

二人は、何度試みても、自動券売機で切符を買うことができないようである。

その理由は、遠くから見ているのでよくわからないのだが、おそらく、東京駅までの切符の精算がうまくいっていないのではないだろうか。駅を乗り越したかなんかで。

そうなるとますます疑問だ。この二人は東京駅までどうやってたどり着いたんだ?

自動券売機でなすすべもなく立ち尽くした二人は、ふたたび彷徨う。

私も後についていく。

今度は別の場所にある自動券売機で試みるが、やはり同じ結果に終わる。

さらに二人は彷徨い歩き、ついに八重洲口の改札口にいる駅員さんをつかまえた。

そこでようやく切符の買い方を教わったようで、今度は自動券売機で切符を買うことができたようであった。

それにしても、謎だらけの二人である。

このご時世、新幹線の切符の買い方を知らない社会人がいるのだろうか?

鉄道に乗ったことのない人なのだろうか?

だとしたら、東京駅までどうやってたどり着いたのか?

田舎から上京してきたばかりの人なのか?

いや、むしろ田舎から上京した人ならば、当然新幹線の切符の買い方は知ってるだろう。

しかも「パスモ」を持っているくらいだから、首都圏在住であることは間違いない。

新大阪に行くのに、新幹線の乗り方を調べなかったのだろうか?

なぜ「パスモ」で行けると思ったのだろうか?

そんな軽装で新大阪まで行って、どんな用事があるのだろうか?

謎だらけである。

二人が無事に新大阪に着くように祈るばかりである。

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