韓国映画3本
むかしの韓国映画を3本ほど見た。簡単な感想を書く。
1本目は、李光洙(イ・グァンス)原作、キム・ギヨン監督の映画「土」(1978年)である。
李光洙は、日本でいえば夏目漱石のような文学者である。「土」は、植民地時代にある農村の若者が弁護士になり、自分の生まれ故郷の村を新しい社会に変えるために民衆運動に身を投じていくという物語、だと思うのだが、原作を読んでいないのでよくわからない。
韓国では何度か映画化されているようで、私が見たのは、1978年のキム・ギヨン監督版である。
文学作品が原作なので、文芸映画ということになるのだろうが、見てみたら、かなりの珍作であった。
2本目は、アン・ソンギ主演の映画「成功時代」(1988年)である。
ご存じ、韓国を代表する俳優・アン・ソンギ先生の若い頃の主演作!
調味料会社に就職した営業マンが出世していく物語なのだが、ライバル会社と熾烈な争いを繰り広げるなど、高度経済成長期?にバリバリと働くビジネスマンをアン・ソンギが演じている。
日本でいえば、「課長・島耕作」的な話なのか?読んだことがないのでわからない。
映画じたいは80年代後半に製作されたものだが、映像や演出は、なんとなく日本の70年代の映画の雰囲気を感じさせ、そのあたりのちぐはぐさ加減がなんとなく心地よい。
アン・ソンギでもっている映画だな、これは。
3本目は、韓国の巨匠・イム・グォンテク監督の映画「千年鶴」(2007年)。
イム・グォンテク監督は、100本以上の映画を撮っている韓国の巨匠。日本でいえば、市川崑監督的な位置か。
その100本目の映画が、この「千年鶴」である。
そういえば、市川崑監督も「つる」という映画を撮っていたな。こちらの映画は、吉永小百合の100本目の出演映画だった。
全然関係ないか。話を先に進めよう。
パンソリという韓国の伝統音楽と共に生きる、ある姉弟の物語。
実はイム・グォンテク監督の最高傑作といわれる映画に「風の丘を越えて ソピョンジェ(西便制)」(1993年)というのがあるのだが、その続編にあたるのが、この「千年鶴」である。
なので主人公の姉(ソンファ)と弟(トンホ)という設定は、同じである。しかも、姉・ソンファを演ずるのは、「ソピョンジェ」のときと同じ、オ・ジョンヘである。
このあたり、市川崑監督が、以前撮った「犬神家の一族」を晩年になってセルフリメイクした感じとよく似ている(わかりにくい)。
そしてこの映画には、あのリュ・スンリョンも出ているのだ!
実は前作の「ソピョンジェ」をまだ見ていないのだが、単独の映画としても十分に成立している。
この映画は、私がよくいう「映画的余韻」に溢れた映画である。
そして、実に切ない。
ソンファ役のオ・ジョンヘが美しいだけに、余計に切ない。
オ・ジョンヘは、ほとんどイム・グォンテク監督の映画にしか出演していないだけに、まことに貴重な女優である。
…ということで、まったくワカラナイ話でございました。
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