カメムシにご用心
4月23日(日)
旅の最終日。
この町は冬はすっぽりと雪に覆われてしまうので、公共施設の多くは冬期休業である。
で、だいたいこのくらいの時期から再開する。
ちょうど私たちがその公共施設を訪れた今日は、その公共施設が再開して2日目であった。
2時間ほど滞在したが、お客は最後まで私たち4人だけだった。
その公共施設には一人、職員さんがいて、いろいろと解説してくださった。
お客さんが他に誰もいないので、その職員さんとお話ししながら、じっくりと見学することができた。
ところがその職員さんは、なにかというと私たちの話の輪からはずれて、箒とちりとりをもって、床の掃き掃除をしている。
それが終わるとまた話に加わり、ちょっとするとまた席を外して、箒とちりとりをもって床の掃き掃除を始める。
どうしてそんなに頻繁に、床の掃き掃除をするのだろう?
「何をなさってるんです?」
「床に落ちたカメムシを掃除しているんです」
「カメムシ?」
「ええ、とにかく掃いても掃いても、カメムシが床に落ちるものですから、それをちりとりに集めているんです」
そういえば、その施設の壁には、これでもか、というくらいに、
「カメムシ発生時期のため、大変ご迷惑をおかけしています」
という貼り紙が貼ってあった。
なるほど、そのつもりでこの施設の建物を見れば、ビックリするくらいのカメムシの数である。
そのカメムシが、ドンドンドンドンと、床に落ちてくるのだ。
その床に落ちたカメムシを、職員さんは箒とちりとりを使って掃除しているのである。
「まるで落ち葉掃除のようにひっきりなしに掃除していますね」
「ええ、やっと床掃除が終わったと思って、5分もたつと、またカメムシが床に大量に落ちているのです」
「つまり、5分ごとに、床掃除をしなければならないんですか?」
「そうです。だいたいこれで1日が終わります」
「そうですか」
「で、こんな状態が、6月まで続きます」
つまり、職員さんは、4月から6月の3カ月間を、床に落ちたカメムシの掃除に悩まされることになるのだ。
「よく、カメムシが大量発生した年は大雪になる、といいますが、それって本当ですか?」
「たしかにそうですね。カメムシが大量発生した年は、大雪が降ります」と職員さん。
しかし、である。
もともとカメムシが毎年大量発生しているこの地域で、しかも毎年コンスタントに大雪が降っているこの地域で、「カメムシが大量発生した年は、大雪が降る」という「カメムシ占い」は、当たっているといえるのだろうか?
なんだかよくわからないまま、その公共施設をあとにした。
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コメント
英語で検索してみても(「スカンク・バグズ」っていうのね)、雪予報に関するものは日本人が書いたものくらい。
世界的に見れば、雪予想とカメムシは関連づけられていなさそうだ。
大体、人々が知覚しているのは「大量発生」でなく「大量屋内侵入」なだけだ。
だってカメムシの繁殖は春から夏だもの。
作物に被害が出る農家の人は別として、野山にカメムシがとどまっている限りは、大量発生しようとしまいと、あまり気にならない。
晩秋になってカメムシを多く見かけるようになるのは、越冬するくせに寒さに弱いので、暖かい人家へ入ってくるからである。
とすれば、大量発生→大雪になる、ではなくて、秋から寒い→大量屋内侵入→やっぱり大雪だった、という当たり前の話なのだろう。
因果関係を取り違えているのだ。
などと、カメムシの話を考えているうちに、超人ネイガーのハンカクサイ様が見たくなった。
(参考サイト)
https://www.kobe-np.co.jp/rentoku/machiaru/201312/0006562573.shtml
https://www.brh.co.jp/communication/labdiary/2009/post_000019.html
https://youtu.be/bmtj6ncaX-Y
投稿: 河合こぶぎ | 2017年4月24日 (月) 23時46分