「孤独のグルメ」を気取る
「あなたにとって○○とは?」コーナー、まだまだ募集しておりますぞ。
4月13日(木)
新幹線で2時間20分ほどかかる都市まで、日帰り出張である。
出張先で同僚と現地集合することになっており、その集合時間は午後3時半である。
一昨日、昨日と、2日連続で、都内で重たい会議が続き、すっかりストレスがたまってしまったので、少し早めに家を出て、出張前の時間を有効に使うことにした。
「新幹線のとまる駅」に着いたのが午前11時過ぎ。
(少し早いが、昼飯にするか…)
以前,ひょんさんに教えてもらったお店に行くことにした。
「新幹線のとまる駅」から地下鉄に乗り換えて、3つめの駅で降りる。
この駅は、私自身もよく降りる駅なのだが、これから行く店は初めてである。
地上に出て、東西に走る通りをほんの少しだけ西の方向に歩くと、ほどなくしてその店が見つかった。
(あやうく通り過ぎるところだった…)
しかし中に入ると、これがなかなかすばらしい。
さながら、韓国の伝統茶屋に入ったようなものだ。
(仁寺洞〈インサドン〉に来たみたいだな…)
「いらっしゃいませ」
上品そうな若い店員さんである。
お客さんは、女性ふたりが一組いるだけである。
「こちらの、窓側の席へどうぞ」
メニューを渡された。
「決まった頃におうかがいします」
さて、何を食べようか。
…といっても、もともと「ランチもやる」というお茶屋さんなので、選択肢が多いわけではない。
ひときわ目を引いたのが、ビビンバだった。
日本ではどういうわけか、石焼きビビンバが有名なのだが、本当に美味しいのは、野菜の本来の美味しさを生かしたふつうのビビンバなのだ!
「すみません。ビビンバ、ください」
「かしこまりました」
実に見事なビビンバである。
「お好みに合わせて、コチュジャンを混ぜてください」
もちろんそれは、承知の助である。
ビビンバとは、混ぜご飯のこと。とにかく、ご飯と野菜とコチュジャンを、混ぜれば混ぜるほど美味しくなる。
この混ぜる動作を、怠ってはいけないのだ。
これでもかと混ぜた後、スプーンに乗せて、おもむろに口に運ぶ。
(美味い…)
何と言っても、野菜に力がある。だから食感が心地よいのだ。
ときおり、スプーンと器が当たると、
キーン
と、楽器のような美しい音を立てる。
たぶん食器にもこだわっているのだろう。
私は松重豊のごとく、ビビンバをひとくちひとくち、ゆっくりと口に運んだ。
(いやあ、美味しかった)
次はもっと余裕を持って来よう。
「ごちそうさまでした」
「ありがとうございました」
お店を出て、西の方向に歩いて行く。
10分ほど歩くと、南北に走る大通りに出た。
そこからバスに乗り、次の目的地へ。
現在開催中のイベントを見学した。
(こりゃあ、あと3回は来なきゃいけないな…)
なぜ、会期中にあと3回、つまり、全部で4回来なければならないと思ったのか?
それは誰にもわかるまい。
さて、この場所を出たが、まだ、集合時間まで時間がある。
(もう1軒、寄ってみるか…)
最寄りのバス停からバスに乗り、ひょんさんに紹介された、もうひとつの店に向かう。
ここもやはり、外観は目立たない。
しかし店内はやはりすばらしい。
さきほどのお店と同じように、韓国の伝統茶屋に迷い込んだ気分である。
この店では、伝統茶を注文することにした。
「ご注文はいかがいたしましょう」
「オミジャチャ(五味子茶)をください」
「オミジャチャですね。かしこまりました」
店内には、韓国に関する本が置いてある。古書のようである。
(おっ!『浅川巧著作集』があるぞ!)
本棚から取り出して手に取ってみたが、貼ってある値段を見て、とても買えないと思い、そのまま本棚に戻した。
やはりオミジャ茶は美味い。韓国の伝統茶屋に行くと、かなりの頻度で私はオミジャ茶を注文するのだ。
しかしゆっくりはしていられない。もうすぐ集合時間である。
本来ならばのんびり過ごす場所なのだが、それは次回にとっておこう。
お店を出て、川に架かる橋を渡る。
(考えてみれば、桜が満開になる時期にこの町に来ることなんて、いままでなかったんだよな)
そう考えれば、ラッキーである。
いけね!もう3時近くになっちゃった。こうしちゃいられない。
ここから,この駅が始発の私鉄電車に乗って、集合場所まで行かなくてはならない。
なんだかんだで、集合場所に着いたのが、午後3時20分。
「なんだ、同じくらいに着いたんですね」
同僚も、どこかをめぐってきたようである。
「じゃ、中に入りましょうか」
本来の目的である、出張先での仕事が始まったのであった。
(…さて、ここでクイズです。このとき、私は市営バスに2回乗っていますが、何番と何番のバスに乗ったのでしょうか?)
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コメント
京ガイドのひょんです。うらやましい春の一日です。なぞなぞふたつへの解答は自粛します(笑)。もっと謎なのは、仕事場ですね。一体何があるのか…
その近くの春のお山の向こう側の斜面に、母方の祖父母が川を望んで長く暮らしておりました。
投稿: ひょん | 2017年4月14日 (金) 10時09分
サム散る寒さー。
こちゃがこりょいちょん。
あんぽくたくぼん。
投稿: 正しくは駅の西側(こぶぎ) | 2017年4月14日 (金) 16時38分
すみません。正しくは駅の西でした。本文を訂正します。
あと、クイズの答えは、「サム散る」「たくぼん」は正解だとわかった。
投稿: onigawaragonzou | 2017年4月14日 (金) 23時57分
鬼瓦さん、小正解です。
寒さでなければ作務男でしょう。
2行目の呪文は3つに分かれますよ。
投稿: 正しくは駅の西側(こぶぎ) | | 2017年4月15日 (土) 20時46分