やんごとない場所へ
5月11日(木)
公用車を運転して、都内の「やんごとない場所」まで行かなければならない。
ま、年に一度の儀式みたいなものである。
前回は、空港にお客さんを迎えに行くために公用車を運転したため、道路事情もそれほど複雑ではなかった。
だが今回は、少し難易度が高い。なにしろ、首都高速を使ったり、都内の道路を走ったりしなければならないのである。しかも8人乗りの大型のバンで、である。
さらに目的地が「やんごとなき場所」とくれば、絶対に事故を起こしてはならないのだ。
2回目とはいえ、すっかり公用車の運転手が板についてしまった。
以前、片田舎の私立大学に勤めていた知り合いの先生の話を聞いたことがある。
その大学は、人件費をドンドン削っていって、職員さんがドンドンいなくなってしまうので、最後はその先生が公用車の運転手をするようになってしまった。
そのことに嫌気がさし、その先生は、その大学をやめてしまった、というのである。
そのときは、
「へえ、そんあことがあるものなのか」
と思っていたが、まさか自分がそうなるとはねえ…。
朝9時15分、職場を出て、高速道路をひたすら西に向かう。
途中、首都高速の例のジャンクション付近が渋滞していたが、職場を出てから1時間15分ほどして、ほぼ予定の時間通りに、「やんごとない場所」に着いた。
都内のど真ん中である。
車でその場所に入るには、かなり厳しい手続きが必要である。
まず、車のナンバーをあらかじめ届け出なければならない。
車に誰が乗っているかについても、一人一人名前を事前に届け出なければならない。
当日、現地に着くと、身分証明書を提出し、必要事項を書き、本当に先方と約束しているかどうかを確認とった上で、はじめて門が開き、晴れて中に入ることができるのである。
無事、クリアして中に入る。
30分ほどの「儀式」を行い、今年の「儀式」は無事に終了した。
公用車に乗って門の外に出る。
解放された気分だ。
「じゃ、僕は都内で用事がありますので」
と、一緒に乗っていた同僚とは、門を出て少し進んだところで、解散した。
一人残された私は、職場に公用車を戻しに帰らなければならない。
一人で首都高速に乗り、来た道を引き返す。
1時間少しかかって、職場に戻り、公用車を返した。
ドッと疲れが出て、午後はあまり仕事にならなかった。
そうとう、神経をはりつめていたのだろうな。
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