老先生との再会
6月22日(木)
「前の職場」でおこなわれる会合で、全国から来た100名ほどの前でお話しすることになった。
その会合には、「今の職場」の社長と、副社長2人、それに何人かの同僚が来ていて、つまり僕は、「前の職場」の同僚と「今の職場」の同僚の前で話をするという、まことにふしぎな体験をした。
それだけではない。
大学時代のサークルの1つ上の先輩だったSさんも、職場のある東海地方からその会合に来ていて、10数年ぶりに再会したのだった。大学時代、その先輩とはバカなことばかりやっていたが、今は同じような立場にいる者として、同じ会合に出席しているのだ。
自分の人生の、いろいろな段階で出会った人たちが、たまたま一堂に会して、その人たちの前で僕が話をする…。
考えようによっては、これほど幸福な体験はない。こんな体験、もう二度とないだろうな。
午後4時、なんとか無事に終わり、1時間ほどの休憩である。
この1時間の空き時間に、会う約束をしている人がいた。
Iさんは、県内の企業を退職されたあと、独学で自分の好きな研究に打ち込んだ。その研究は、人間への温かいまなざしに支えられた研究だった。
僕にとっては人生の大先輩で、僕が前の勤務地にいたとき、どれだけIさんにお世話になったかわからない。
今でもたまにメールのやりとりをしていた。
で、この日の「前の職場」での会合の、1時間の休憩時間を利用して、会う約束をしたのである。
僕の教え子で、いまは自分の母校ではたらいているT君も一緒に、3人で1時間ほどお話をした。
話の内容は、もっぱら老先生がこれまで手がけてこられた研究についてで、僕は、I先生に、自分の知りたいことをいろいろと質問した。
傘寿を越えた今も、Iさんの知的好奇心は健在で、僕はそのお話を聞きながら、元気をいただいたのである。
「またお会いしましょう」
お別れしたあと、すぐにメールが来た。
「とても刺激的な話でした。ありがとうございました」
とんでもない。刺激を受けたのは、僕の方ですよ。
僕とIさんの会話を横でずっと聞いていたT君は、その様子を見てどんなことを感じたのだろう。
きっと、この2人は不思議な関係だ、と思ったことだろう。
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