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連載

6月6日(火)

おかげさまで、インターネット連載は、打ち切りされる心配もなく続いている。

先日、編集担当者のkさんと、その上司のYさんと飲んで、いろいろな話をした。

僕にとっては、編集者は最初の読者なので、まずここをクリアしなければ、連載は続かない。

以前から一緒に仕事をしてきたKさんは、僕に対して、ほぼ全幅の信頼を寄せてくれていて、なんとか僕の文章をもっと多くの人に読んでもらいたいと思ってくれている。

「先生の文章は、いつも真剣勝負なので、編集者としてもやりがいがある」

とか、

「先生の文章の面白さを、どうやったらたくさんの人に理解してもらえるか、そこは編集者の責任です」

などと言ってくれたりするのだが、ただ、たまに僕がマニアックな方向に走りそうになると、

「それでは読者がついてきません」

と、やんわりとたしなめてくれたりもする。

僕はそれに対し、ときにカチンときたりもするのだが、頭を冷やして考えてみると、僕自身の思い上がりを思い知らされたりもする。

むかしから知るKさんに対して、上司のYさんは、この連載を始めてから僕のことを知るようになったので、Yさんが僕のことをどのように評価してくれているのかは、未知数である。

しかも以前は、週刊誌部門とか、いろいろな現場経験を積んできた人のようにお見受けするので、僕の書く頭でっかちの文章が受け入れられているのかどうかは、まったくわからなかった。ある意味で、最も厳しい読者といえるかも知れない。

翌日、上司のYさんから、短いメールが来た。

「昨晩は、貴重なお時間を割いておつきあいいただき、ありがとうございました。

最近お送りいただいた原稿を拝読していたので、連載の今後はますます充実すると分かっていて臨んだ酒席ではありますが、好きな作家の名前を聞かせて いただくなどし、とても興味深く、さらに編集者としての欲が出てきました。

今後ともどんどん「オリジナリティあふれる、おもしろい読み物」を書いていただきたく、重ねてお願い申し上げます。」

短いメールだったが、私にとっては激励のメールである。

とりあえず、首はつながったようである。

僕がめざしているのは、僕にしか書けないスタイルの文章である。

ほかの同業者が、書かないような文章。

いっちょ、真剣勝負で書いてみるか。

体調は悪かったが、かなり力を込めて、連載2本分を一気に書いて、先日、担当者のkさんに送った。

僕にしか書けないであろうスタイルの文章である。

ほどなくして、「追加の原稿を受け取りました。引き続きよろしくお願いいたします」という事務的な返信が来た。

さて、今日。

都内での会議中に、携帯電話がふるえた。

見ると、Kさんからの電話だったが、会議中のため、出られるはずもない。

(さしずめ、原稿の直しの催促だろう)

Kさんからの電話は、原稿の直しを催促する内容の場合がほとんどである。

会議が終わり、地下鉄の駅のあたりで折り返し電話をかけたら、別の人が出て、

「あいにく、Kはいま打ち合わせ中でして…」

という。

地下鉄に乗ったら、携帯電話がふるえた。

またKさんからである。

あいにく、地下鉄に乗っている最中なので、電話に出ることができず、ほどなくして切れた。

駅を降りて、次の電車に乗り換える間に、折り返し電話をかけてみた。

「Kはいまちょっと席を外しておりまして…」

どうもタイミングが悪い。

「この後また電車に乗りますんで、電車を降りたらまたこちらからかけます」

といって、電話を切った。

すると、ほどなくしてメールが来た。

「先ほどは、何度もお電話が行き違いになってしまい、たいへん失礼しました。

先日は、追加原稿をお送り下さり、ありがとうございました。

順次、公開へ向けての準備をさせていただいていますが、どの回もたいへん面白く、かつ興味深いお話ばかりで、あらためて先生には感謝する次第です。

ひと言お礼を申し上げたかっただけですので、折り返しのお電話は、いただかなくて大丈夫です。

お忙しいところ、申し訳ありませんでした。

引き続き、よろしくお願いいたします」

なんだ、それだけのために電話をよこしたのか。というか、先日送った原稿をいまごろ読んだんだな。

それはともかく、僕がめざしている、僕にしか書けないスタイルの文章を認めてくれたのは嬉しかった。真剣勝負が、通じたらしい。

これからも、続くかぎり、僕にしか書けないスタイルの文章を書き続けていこう。

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