幸せの選択
先日、ドラマ「孤独のグルメ」をみていたら、松重豊扮する主人公・井の頭五郎が、
「長崎ちゃんぽんにするか、皿うどんで攻めるか」
と、頭を悩ませている場面があった。
そうそう、私もまったく同じなんだよな。
長崎ちゃんぽんのチェーン店に行くと、
「やっぱりちゃんぽんかな、でも皿うどんも捨てがたいよな」
と、いつも迷うのである。
好きなものの中から、究極に好きなものを選ぶために、あれこれと悩むこと。
この時間こそが、最も幸福な時間なのではないか、と最近思うようになってきた。
たとえば、である。
大野雄二作曲の「ルパン三世のテーマ」という曲があるでしょう?
たぶん、この国に住んでいて、この曲が嫌い、という人はいないのではないか、と思う。
この「ルパン三世のテーマ」には、大きく、三つのパターンの編曲がある。
「ルパン三世のテーマ’78」
「ルパン三世のテーマ’79」
「ルパン三世のテーマ’80」
この三つの編曲の中で、どれがいちばん好きか?を考えているときが、いまの私にとって最も幸せな瞬間である。
(’78は最初の編曲で思い入れがあるし、’79はポップで斬新な編曲だし、’80はビッグバンド風で大人っぽいしなあ…)
と、いつも悩むのである。
みなさんは、どの編曲がいちばん好きですか?
大野雄二といえば、角川映画「犬神家の一族」の劇伴音楽も手がけているが、こちらのほうは、「ルパン三世 愛のテーマ」にも通ずるような、やや叙情的な音楽である。NHKの「小さな旅」のテーマ曲も、その系列に属する。
もう1つ私が好きなのは、むかしNHKで放映されていた「ルポルタージュにっぽん」のテーマ曲である。短いものだが、ルパン三世のテーマを思わせる軽快な曲だった。
軽快性と叙情性を兼ね備えた大野雄二の音楽は、最高である。
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コメント
(ミニシリーズ)こぶぎのグルメ 1
今日から地方出張。スーツ姿でお得意さま回りだ。
しかし、ちゃんとおいしい店は調べてある。
なにしろ、すぐにスーツ姿で満員になる店と聞かされていたから、新幹線を降りたら直行だ。
出てきた。
いろとりどりの、まあるいやつが、四角いお重に鎮座している。
あんこ、うまい。
えごま、うまい。
でも、お楽しみは一六個平らげたあとの、お雑煮椀だ。
なにしろ、生きていて良かったと思うほどの美味らしい。
薄造りの汁は具だくさんで、中には、柔らかそうな白もちが2切れ。
お椀を持って口をつけ、すすり込む。
う、うまいのかな。
ま、減塩っぽいから、長生きするには良かったかも。
(続く)
投稿: 孤独のこぶぎ | 2017年6月13日 (火) 19時30分
(ミニシリーズ)こぶぎのグルメ 2
昨日のまあるい奴は十六個でなく八つで、真ん中は大根おろしだった。
うまいと数も多く見えるらしい。
それはさておき、本日のお得意さま回りも済んで、 楽しみにしていた夕食だ。
ちゃんとおいしい宿を調べて予約してある。
人里離れた、潮騒の聞こえる入江の一軒宿。
窓辺の景色もよいが、鮮魚料理の夕食も評判がよい。
海の見える風呂から出て、浴衣姿で夕食会場に赴く。
当然、個室だ。
テーブルの上には、すでに配膳が済んでいる。
お刺し身。
さんまの蒲焼き。
カワハギの煮付け(うす甘の生姜の煮汁で、これは絶品だった)。
と並ぶお膳の中央に、
なぜか麻婆豆腐の皿がドカンと居座っている。
女将が言うには、
連泊されているお客様の日替わり料理が麻婆豆腐なんです。
お刺身と取り合わせが悪くてすみません。
では、お汁椀をお持ちしますね。
致し方ない。
何しろ、あれから6年経つというのに、まだこの街は復興工事の最中だからだ。
現場で明日も元気に働いてもらえるなら、刺し身にマーボー豆腐の食い合わせくらい、なんとしよう。
蒲焼き丼に、麻婆丼。
ご飯は盛り放題だから、のっけまくって結局、炊飯器を食べ尽くしてしまった。
ふすまが開いて、再び女将が入ってきた。
お汁椀をお持ちしました。
こちらも日替わりメニューで、今日はおうどんになっています。
炭水化物ばかりですみませんね。
(続く)
投稿: 孤独のこぶぎ | 2017年6月14日 (水) 19時24分
新幹線の駅は、すぐにわかった。
僕の記憶では、以前、おそらく同じ店に入ったことがある。
そのときは明智こぶ郎君の助手の小林君も一緒だったんじゃなかったかな。
人里離れた、潮騒の聞こえる入江の一軒宿、というのがわからない。
ただ、以前にその新幹線の駅から、やや南の方に向かって、海岸線を車で走っていると、太平洋に面した高台に忽然と大きなホテルがあらわれて、
(一度ここに泊まってみたいな)
と思ったホテルのことは、よく覚えている。あの出来事のあと、比較的早く再開したんじゃなかったかな。
しかしそこは、リゾートホテルと銘打っているので、こぶぎさんが泊まったとも考えがたい。
立地は最高だと思うんだがな。
投稿: onigawaragonzou | 2017年6月15日 (木) 01時36分
もち、正解。
マーボーの宿に貼ってあった白黒コピーのチラシによると、なんと明日サックスの大御所がライブするみたいですよ。
なべ貞じゃないけど。
投稿: 孤独のこぶぎ | 2017年6月15日 (木) 04時40分
海岸の宿をライブ会場にするサックスの大御所なんて、たぶんこの人しかいない。
そう、ミジンコ研究家のあの人!
「ひまわり」という名盤があることを知ったのは、Kさんの運転でこのあたりを走っていたときに、車中で聞いたのがきっかけだった。
http://yossy-m.cocolog-nifty.com/blog/2012/06/post-a0f7.html
広々とした太平洋を望む旅館、か。
いい名前だ。
投稿: onigawaragonzou | 2017年6月16日 (金) 00時08分
(ミニシリーズ)こぶぎのグルメ 3
本日も大正解というところで、得意先回りの合間に楽しみにしていた昼食だ。
ちゃんとおいしい塩ラーメンの店を調べてある。
駅の近くの市場に赴く。
や、やっていない。
孤独のグルメではこういう風にはならないが、こちらはリアリティ重視。というか、リアルそのものだから、仕方ない。
午後の予定もあるので、ここで新たに店を探す時間はない。
やむなく、近くのスーパーの弁当で赤飯おにぎりを調達。
山積みされていたから、地元ではたくさん食べるものだろう。
細長い容器の中に、小さな三角おにぎりが横に3つ並び、端っこには、紅しょうがが添えてある。
赤飯と言っても小豆の代わりに大きな金時豆が3個ずつ、おにぎりの表面に埋め込まれている。
海苔などは巻いてなく、うす赤茶色のもち米がつやつやして見えている。
包みを開けて、かじりつく。
う、うまい。
というより
あ、あまい。
口に残る甘さではない素朴は甘さなので、美味しいといえば美味しいし、紅しょうがとの相性もばっちりであるが、
どこか飯を食った気がしないのは、自分だけだろうか。
(続く)
投稿: 孤独のこぶぎ | 2017年6月16日 (金) 19時41分
うーむ。これもクイズか。
塩ラーメンの美味しい店って、屋台村みたいなところにある、プレハブのお店のことだろうか。カウンターだけ8席程度のこぢんまりしたお店?しかし定休日は日曜日になっている。こぶぎさんが訪れた日は定休日ではない気がするが…。
投稿: onigawaragonzou | 2017年6月17日 (土) 01時12分
(ミニシリーズ) こぶぎのグルメ 4
残念。ネットで探すと甘い赤飯おにぎりは結構あるのだな。
ヒントは塩ラーメン。暑い職場で汗をかいた男たちの塩分補給なのだ。
さて、今日も出張訪問の合間に遅い昼食だ。
しかしおいしい店はちゃんと調べがついている。
店に入ってメニューを見ると、テレビで多数紹介されたという宝石の名前のついたどんぶりがあった。
確かに聞いたことがある。
なんと、宝石だけに発掘しながら食べるのである。
遊び心いっぱいで、まさにグルメコメントのネタにもってこいだ。
運ばれてきたのは、ただの海鮮丼だった。
しかし木のスプーンがついている。
これで掘れということだ。
食べ始めると困ったことに気づいた。
海鮮丼のネタとご飯を一緒に食べたいのに、ご飯だけを先に掘り進めて食べるから、ネタが残ってしまい、バランスを崩してしまうのだ。
だいだい卵焼きは、にぎり寿司でも最後に食べたいものだから、ずっと地表に残る。
そうすると、その下のごはんを食べてしまって生じた空洞に、卵焼きが落っこちてしまう。
落盤事故である。
しめさばの切り身から、いくらの粒まで、すべて奈落に落ち込んでしまった。
もし炭坑であれば、大事故だ。
おっと、ご飯の表土の下に、金の鉱脈のような小さい黄色い固まりを見つけた。
ウニである。
この地層に隠れていたか。
さっそくスプーンで周囲のご飯ごと堀りだそうとしたが、落盤した、しめさばと一緒にスプーンに入ってしまった。
やむなく、しめさばとウニを一緒に食べたが、案の定、鯖に押されて、ウニの風味が消し去られてしまう。
味の宝石箱が台無しだ。
さらにご飯を掘り進めると、なぜかほうれん草のおひたしの地層が現れた。
これは怪しい。
なにしろ、どんぶりの底にはお宝が隠されているとメニューに書かれていたからだ。
ほうれん草を食べられないようなお子ちゃまには、お宝を掘り起こさせないためのカモフラージュに違いない。
ほうれん草の地層を無事突破して、さらにご飯だけを食べ続ける。
ついにスプーンはどんぶりの底に到達した。
そこには、茶色い宝石の色に煮染められた牛肉が鎮座していた。
ウニと牛肉。
海と陸のごちそうが一緒に味わえる奇跡のどんぶりなのだ。
しかし、相当深く掘り進めたのでもうご飯の残りが少ない。
落盤した海鮮ネタと掘り出した牛肉とを混ぜていっぺんに食べないと間に合わない。
ビビンバ精神でよく混ぜて、スプーンをほおばる。
う、うまくない。
海と陸のごちそうは、別々に食べた方がおいしい。
一緒に食べると両者の風味が打ち消しあってしまうから。
どうせ埋めておくのであれば、卵焼きがよいと思う。
(続く)
投稿: 孤独のこぶぎ | 2017年6月17日 (土) 19時36分
どうやら海岸沿いを北に向かっていることだけはわかった。
丼のほうは比較的簡単にわかった。僕が持っている、サントリーウィスキーのCMの音楽ばかりを集めたCDのタイトルに出てくる宝石の名前だろう。お店は、「南海キャンディーズの山里さん」みたいな名前のレストランだろう。
問題は塩ラーメンである。これがやっぱりわからない。泊まった旅館の町と、その丼を食べた町の間にあるのだろうが、これ以上は、私の体力が奪われるだけなので、断念せざるを得ない。
投稿: onigawaragonzou | 2017年6月17日 (土) 23時02分
じぇじぇじぇ、大正解。
ラーメンのまちがわからなくても、鉄のような意思をもってノーサイドまであきらめてはいけない。
次回、最終回です。
投稿: 孤独のこぶぎ | 2017年6月18日 (日) 01時17分
「鉄 ラグビー 塩ラーメン」で検索しても、まったくヒットしない。
もちろんラーメンの町は特定できたのだが、「塩ラーメン」がわからないのである。
ヒントにあった、「駅の近くの市場」をたよりに探すと、1軒、森繁久弥が出てきそうな名前の食堂が市場の中にあるようなのだが、そこだろうか。
あるいは、昭和26年創業の「ご当地ラーメン発祥の店」の方だろうか?
ここまでで私の体力は尽きた。
投稿: onigawaragonzou | 2017年6月18日 (日) 20時12分
(ミニシリーズ) こぶぎのグルメ 5
店名はわからないから当てなくていいのである。確か市場にあったはずと思って行ったら市場自体が定休日で、店自体にたどり着いていないんだから、店名を確かめようがない。グルなびの名店はやはり駐車スペース無さそうだったし。
さて、「孤独のグルメ」のパロディを思いついたが運の尽き。ネタづくりのために、ごちそうばかりを食べ過ぎた。
こう毎日、豪華海鮮丼ばかり食べ続けると耐性がつき、相当のものを食べても感動しなくなる。
これではコメント欄が書けないから、大枚をはたいて生ウニ丼も食べてみたが、
別に?
というくらいの食レポにしかならない。
孤独のグルメの人は、いつもうまい、うまいと言って食べているが、実は相当、自分を欺いているのではないか。
だから、ぶつぶつ独り言を言って精神を保っているんだな。
こちとら、ハセガワストアの豚肉のやきとり弁当か、ラッキーピエロのオリジナルカレーといったレベルのB級グルメが、ちょうどいいのである。
なぜたとえが函館なのかよくわからないが、とにかく、文字通りの食傷気味となったので、旅の最後の夕食は定食にした。
イカ刺しとサーモン
切り昆布
鮭の西京焼きと、あさりの煮たの
キャベツのお新香
せんべい汁
ごはん
これで十分である。
せんべい汁の出汁加減は、最初に食べたお雑煮椀にそっくりだった。
旅の始めは減塩風味に感じていたが、今はグルメに疲れた胃に優しい。
う、うまい。
やっぱり味は薄いけど。
(終わり)
投稿: 孤独のこぶぎ | 2017年6月19日 (月) 08時29分
先週末、近所の溝に自転車の車輪を取られて派手に落車し、左足の向こうずねをすりむいて、鬼にひっかかれたような傷になってしまった。
やっとかさぶたになって来たと思ったら、今日の避難訓練中にコケて、今度は左足の足首をひねってしまった。
それにしても、全くついていない。
どんどん痛くなってくるので、早めに帰宅して湿布することにした。
と言う訳で今宵は自宅で一人、孤独なグルメである。
おかゆ。
鯖の味噌煮。
餃子3切れ。
わかめスープ。
麦茶。
どこかのメニューとほぼ同じなのに美味しく頂けたのは、
コストコの1kg瓶キムチをお粥に大量投入したからである。
最後に、麦茶をごくり。
お大事に。
投稿: 傷だらけのコブギ | 2017年7月 6日 (木) 22時15分