韓国映画3本
わが家には、韓国映画のコレクションがけっこうある。
入手しつつも、まだ見ていないものがたくさんあるので、この機会に少しずつ見ることにした。
1.「ラジオスター」(2006年)
「ラジオスター」は、これまで何度となく見てきた映画だが、このタイミングで急に見たくなり、見ることにした。
80年代後半に国民的歌手として名をはせ、その後数々の問題を起こして落ちぶれていたロックシンガー(パク・チュンフン)が、長年連れ添ったマネージャー(アン・ソンギ)と二人三脚で、地方局のラジオDJとして再起をかける、というお話。
あらためてこの映画を見て、たぶん、韓国映画の中で、この映画がいちばん好きかも知れない、と思った。
失意のどん底にあったロック・シンガーの人生の歯車が、ふとした人々との出会いをきっかけに、まわりだす。
まるでおとぎ話みたいな話なのだが、見ているうちに、
「どんな人生も、捨てたもんじゃない」
と、希望がわいてくるのだ。
なにより、パク・チュンフンとアン・ソンギの名コンビ!
この二人は、役の上だけでなく、俳優としても、心底信頼しあっているのだなということが、よくわかる。
希望を取り戻したくなったときに、僕は何度もこの映画を見るだろう。
2.「クワイエット・ファミリー」(1998年)
父がリストラを受けて生計のよりどころを失ったカン一家が、ある山でペンション経営をはじめることになるが、登山客がほとんどおらず、宿泊客もまったく来ない。
ある日、はじめて来た宿泊客が、ペンションで自殺をする。父は、息子がその客を殺したと疑い、証拠を隠滅するために、その客の死体を山中に埋める。
次に来た客は、カップルである。今度はカップルが客室で心中し、慌てたカン一家が、またもや死体を山中に埋める。
こうして、このペンションで予期せぬ死体が次々とあらわれ、そのたびに一家は死体の処理に奔走するのである。
これは、「勘違いとすれ違い」を利用した、とてもよくできたドタバタコメディーである。ただ、その重要なアイテムが「死体」だというところが、ちょっと猟奇的なのである。つまりこれは、「猟奇的なコメディー」というジャンルといえる。
むかし、フジテレビで放映されていた三谷幸喜脚本のコメディー「HR」のある回で、石膏で作った腕が、知らず知らずのうちに次々と増えていく、というドタバタなエピソードがあったが(たぶん誰もわからないだろうなあ)、そのモチーフは、この映画のほうが先である。しかもこちらは「死体」であるという点でよりインパクトが強い。
この作品、キム・ジウン監督のデビュー作なんだね。脚本もキム・ジウン監督が担当しているから、その才能、恐るべし、である。
あと、出演者がすごい。
ソン・ガンホとチェ・ミンシクが、このバカ一家の一員として、共演しているんですよ!
1999年に公開された「シュリ」でも二人は共演し、そこから二人は名優の道を歩んでいくことになるが、その1年前に、いま韓国を代表する名優ふたりが、こんなドタバタ喜劇のおバカ映画に出ていたとは!
いまだったら、相当な額の製作費がないと実現しない組み合わせである!
必見の映画である!
3.「こびとが打ち上げた小さなボール」(1981年)
韓国で不朽の名作といわれたチョ・セヒの小説を映画化したもの。
経済発展の裏で切り捨てられていく家族を描いた物語。背の低い父が、こびととバカにされ、差別に苦しめながらも、家族が支え合いながら生きていこうとする。社会の底辺で虐げられ、苦しめられてきた人々の、なんともやるせない物語である。
若きアン・ソンギが一家の長男役で出演している。やはりアン・ソンギはすばらしい。コミカルな人物から、このような社会の底辺であえぐ人物まで、幅広く演じてることのできる稀有な俳優である。
そしてビックリしたのは、「チャングムの誓い」でコミカルな夫人を演じていたクム・ボラが、一家の長女役として出演していることである。
この映画では、極貧にあえぎながらもけなげに生きていく少女を見事に演じている。
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クワイエットファミリーと言えば、コ・ホギョンにプレーバック!
http://kame.air-nifty.com/kamelog/2012/12/k-pop-2f93.html
投稿: いい人が居たら紹介するこぶぎ | 2017年7月14日 (金) 23時34分